第六十六録:均衡の塔 五節「閉じ込められた者」
「きついな…」
魔力で身体を強化したり解魔ノ瞳で身体が強化されていても階段を上がり続けるのはしんどい。
「ハァ…ハァ…ぜェ……」
「いつもは…飛行するから…しんどいです…ね!」
俺と夜天羅よりしんどそうなのは妖精であるベリルさんとネーメルさんの二人だった。
無理もない、普段なら飛行してすぐに着く、鍛えていないわけじゃないが普段しないことをすればこうもなる。
「一度…休憩しましょう」
「あー!階段はつらいのう!!」
夜天羅もしんどいものがあった様で思わず愚痴が溢れてしまう。
ベリルさんとネーメルさんは座って水分補給をしていた、側から見てもしんどいだろうと思う…鎧だしな。
いにゃんにゃーん
「みんなおつかれだー!!!」
元気なのは夜天羅に抱えられていたドロシーと俺の肩にぶら下がっていたコイスケだけだ。
「これは…いい訓練になりますね。」
「えぇ!?隊長、訓練に追加だけはやめてくださいよー!!」
「……ちなみに上がるのは鍛えるのにいいですけど下るのは膝を痛めるらしいですよ。」
「なるほど…」
「ちょ!ヨリツグさんも変な助言はやめてくださいよ〜」
へなへなと力なく床へ寝転ぶベリルさん、そんな軽い冗談を交えつつ体力を回復させていく。
十分な休憩を取り再び階段を上がっていく。
そうして俺たちは21階へたどり着いた…が、そこから先には階段は存在しなかった。
「やっぱりか…」
「ここまで来てですか!?21階だったらカギが反応しないのでは!?」
「いえ、多分ですが…」
俺はカードキーを取り出してカードリーへ差し込み21階フロアへの扉を開けた。
「…よかった、開いた。」
「上級研究者の階は次からではないのですか?」
「予想ですけど…この階の中に検問所と警備員がいる場所だと思います。」
そう言って俺は扉を開くためドアノブに手をかけたが……。
「待つのじゃお前様!」
夜天羅から待ったの声がかかった…ドアノブにかけた手が止まる。
「……何かいるのか?」
「うむ、動いとる気配がしよるのじゃ!」
俺は警戒態勢に入り、室内で有利で小回りが効くヴォーパルナイフを取り出す。
「……気を悪くしたらすみません、本当に何かいるのですか?」
ネーメルさんは少し懐疑的な様子で疑問を問うてくる…気持ちはわかる、何せ千年以上の時間、閉鎖された部屋に生体がいるなんて考えずらいだろう。
この場所が開場されているのなら話は別だったがここは俺たちが来るまで開けた形跡がない。
「…信じられんのも無理はないのう、じゃがここはわしを信用して武器を構えておくのじゃ。」
「わかりました。」
「了解です!」
二人は夜天羅を信用して武器を取り出して構えた。




