第六十六録:均衡の塔 三節「取り残された者」
「……状況に絶望して?」
「恐らくは。」
人骨の近くを見て見ると自害の証拠として銃俺たちから見え難い所に転がっていた。
映画などでよく使われている様な自動拳銃…
アキレウサスで何があったのか…謎は深まるばかりだ。
遺体はそのままにして…部屋の探索をする、パソコンや引き出しなどあらかた調べたが何もなかった。
一度、部屋から退室して俺たちは話し合いを始める。
「手詰まりだなぁ」
「じゃな…」
三階を調べ尽くしたが目新しい物はあの人骨くらないなもので他は何もなかった。
「今日は…一度引き上げませんか?かなり時間が経ちましたし…。」
ネーメルさんからの提案、確かに…この塔を探索し始めて5〜6時間以上は経っている。
中が明るく外の景色がわからないから長時間経った感覚がない。
「そうですね…また明日にしますか。」
「では、簡易ロッジへ帰りましょう!」
アキレウサスからロッジまでは馬車や歩きなら時間は掛かるがレーヴァテインなど飛行手段があるなら一時間程度。
俺たちは塔を後にしてレーヴァテインまで戻りロッジへ向かった。
「おお?死霊の遺体が増えおるのう」
ビルを飛び越えて移動をしていた時だった、夜天羅がふとそう呟き下を見た。
「本当だ」
「私たちの魔力を探していたんでしょうね!」
「かなりの数がいますね…」
ネーメルさんの言う通り、かなりの遺体が道に転がっていた。
最初の死霊の様に殆どが骨と皮だけだ…。
そんな光景を見つつ俺たちは帰る足を進めた。
次の日……早朝から塔へ向かう事にした。
昨日と同じ場所へレーヴァテインを着地させてまたビルを飛び越えてゆく。
「ん!ちょっとストップ!」
「おお!?お前様どうしたんじゃ?」
昨日、死霊の遺体があった道路のビルで俺は止まった。
「あれを見てくれ」
「んん…死霊の遺体?いや白衣をきとる奴がいるのう。」
そう…塔内部で朽ちていた人骨と同じ白衣を着用した死霊が倒れている。
「塔の関係者…ですか?」
「それもありますが、胸についた社員証…もしかしたらライセンスキーがあるかもしれません。」
「おぉ!確かに胸にカードみたいなのが付いてるのう!」
「……ちょっと見てくる。」
「私も一緒に行きますよ!」
ベリルさんが同行を申し出てくれた、一人で行くのはリスクが高い。
「心強いです。」
「じゃあ行きましょう!」
「気をつけての!ワシらはここで援護できる様にしておくのじゃ!」
「任せてください。」
「頼んだ。」
残った夜天羅とネーメルさんに援護を任せて俺とベリルさんはビルから道路に飛び降りた。




