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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第六十六録:均衡の塔 一節「得意なこと」

「うーん……えい!!!」

「うおっ!?」

「おわー!?ドロシー!!?」

俺たちがモニターに集中していたその時、机の下に設置されていたパソコン本体へドロシーが自身の指先を接続ジャックへ差した。

その突飛な行動に驚愕が隠しきれない。


接続ジャックへ指を接続しており下手に触る事ができず俺たちはドロシーを見守る事しかできない。

「ヨ、ヨリツグさん、これはなにを?」

俺たちの反応を見たネーメルさんは状況の説明を求める、しかし今言えるのは…。

「恐らく…ドロシーはこの機器を調べてくれているんだと思います、終わるまで少し待ちましょう。」


今は待つしかない、ドロシーが心配ではあるが…何かを解析しているのか頭部のセンサー部分が点滅している以外の変化はない。

ドロシーの表情は真剣そのものだ、話しかけたいが集中を削ぐのは良くないだろうと俺も夜天羅も静観する。

……ドロシーがパソコンへ接続してから数分が経った時だった、そっと指先が接続ジャックから離れた。


「ヨリツグ!ヤテンラ!パソコン使えるよ!」

「使える?…まさか!」

俺はドロシーからすぐさまモニターへ視線を移した…するとどうだ、パスコード入力画面からホーム画面になっていた。

「これは驚いた…お手柄だドロシー。」

「えっへん!!」


両手を腰に当てて胸を張るドロシー、その様子を見て胸を撫で下ろす夜天羅。

俺はマウスを操作してなにか手掛かりになる様なデータがないかを探す。

どこに何を保管しているとか各フロアの部署とかそんな情報があれば僥倖だろう。

「経過報告書?…しかも描いてる途中?」

ホーム画面の下にあるタスクバーに最小化されているファイルを見つけた。


どうやら電源を入れたと思っていたがスリープ状態で電源自体はずっと入っていた様だ。

そのファイルを開き中を確認する。

……── ██の生体生成に成功次世代型██ ████はその特性を活かし様々な分野で活躍が期待される。今後の課題として█をどうやって定着させるか──

文章はここで途切れている…違和感、なぜ書き掛けだというのに黒塗りの部分があるのだろうか?明らかにおかしい。


……知られてはまずい事がある、ディープ・ホワイトの件から真っ当な企業じゃないのは確かだ。

それにこの書きかけで放置されているのもかなり不自然…墜落時と状況が被った?

何にせよ不可解な点がいくつかある。

「実験…生体って事は…生き物でしょうか?」

「ですね!ネーメル隊長!」

「もっと情報がほしいですね…」


そこからさらにパソコンを触る、社内チャットや共通ファイルなど目星しい所は全て見たが…得られた成果は各フロアの部署の名前だけだった。

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