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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第六十四録:立場 五節「野宿」

数時間の飛行、俺たちは空から辺りを散策し始める。

「今日はこの辺りで野宿をしましょう!」

陽が傾き夕焼けが眩しい時間、暗くなる前に空から野宿に適場所を探していた、ベリルさんが指差す方には森の中でも少し開けた場所だった。

「いいですね、あそこにしますか。」

「じゃな、暗くなる前に見つかって良かったのじゃ。」


全員でその場所へ着陸してまずは背を伸ばした、ずっと同じ姿勢で体が凝ってしまった。

逆にベリルさんとネーメルさんは疲れた様子もなく辺りを軽く見渡していた。

それからレーヴァテインに収納していた荷物を取り出す、半日とはいえ野晒しは危険という事でテントを取り出して組み立てる。

「私も手伝いましょう!」

「お願いします。」


「わしらは薪になる木や他の準備をしようかの。」

「では私たちは森へ行きますか。」

「わーい!ドロシー!ドロシーも!」

「おぉ一緒に行くかのう、離れてはダメじゃぞ?」

「はーい!!」

そんな微笑ましいやり取りをしつつ夜天羅、ドロシー、ネーメルさんは森へ入っていく。


うにゃーん!にゃんにゃ!

コイスケは安心しきっておりレーヴァテインが作った日陰でゴロンと寝転び寛いでいる。

「いやぁ!なんだか遊びに来たみたいで楽しいですね!!」

「ですね、キャンプに来たみたいです。」

「歳が近いからですかね?」

「………」

コメントに困る…あれか?精神年齢的な事を言っているんだろう。

と、いう事はまだまだ200歳のベリルさんでもまだ若手になる…のか?


「あッ!そっか、すみません私は人間族で言えばまだ25〜30歳くらいなんです。」

「あー、なるほど…それな確かに近いですね。俺はまだ17歳です。」

「17!?やはり人の成長スピードは早いですね!」

「妖精はやっぱり違うんですか?」

「そうですね…少し変速的に成長をします、幼少期は人間と同じですが6歳から身体的にも精神的にも劇的に遅いんです。」


手を動かしつつベリルさんとの雑談を楽しむ、誰かと協力しつつ準備をするのはめんどくさい気分がなくなっていい。

それから20分ほどで一夜を過ごすための拠点が完成した。

「お前様ー!ベリルどのー!」

「ヨリツグ!ヨリツグ!みて!大量!!」

タイミングよく夜天羅たちが森から物資を調達して戻って来た。

特にドロシーは採れたての魚を掲げて走ってくる。

「大量だな、ドロシー!」


俺たちは陽が完全に落ちるまでに火を起こして夕食を済ませる。

食後のゆったりした時間を過ごすが疲れと言う物はそれなりに蓄積するもので就寝の準備に入る。

野宿の為に夜警をしなければならない、俺とベリルさんペア、夜天羅とネーメルさんペアに別れて夜警をする。

最初は夜天羅たちがする事になり俺とベリルさんは休む。


………パチパチと火が小さく爆ぜる、それを眺めながら肌寒い夜を過ごす。

「ヤテンラさん、どうぞ。」

「悪いのう、ありがとうなんじゃ。」

ネーメルどのが暖かい飲み物を差し出してくれる、それを両手で包むようにして受け取る、程よい暖かさが手に伝わる。

「のう…ネーメルどのはベリルどのを好いておるじゃよな?」


「……ッ!??!!……ッ!!!」

眠っている旦那様たちに気を遣ってかそれとも単純に声にならない叫びか。

驚愕の表情でわしを見つめて硬直するネーメルどの…図星も図星のど真ん中なのがよくわかる。

「な、なななぜ、そう、おもっ、たのですか?」

混乱で上手く口が回っていない、普段はしないであろう大袈裟な身振り手振りをする。

その慌てぶりにクスリと笑ってしまう。


「この間の反応を見れば誰でもわかるのじゃ」

まぁ…旦那様は鈍くてわからんかったが、女は惚れた腫れたの浮ついた話は大好物。

「ほれほれー話してみるのじゃ」

「うぅ…」

驚きが収まり恥ずかしさが込み上げてきた様子がその耳まで真っ赤な顔が物語っている。


「内緒…ですよ?」

「ふふ、女同士の約束じゃ」

それからわしらは旦那様たちと交代の時間が来るまで話し込んだ。

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