第六十四録:立場 三節「意外性」
「魔術が効かない上にですか、しんどいですね…」
「私やヨリツグさんレベルなら難なく倒せはしますが…そうですね、外魔を上級、中級、下級と分けた際に下級ですらギルドの三等級並みの戦力を要します。」
強いな…下級でそのレベル、恐らく単身で三等級以上はそう多くはない。
さらに数の暴力もとなると一般兵は厳しいだろう、封印するのも頷ける。
「最北を目指すのならご注意ください。」
「助かるのじゃ!」
「ありがとうございます。」
「さ!着きましたよ!」
話しながら歩いていた為かそんなに時間は掛かってない様に感じる。
ベリルさんが案内してくれた店はかなり大きいお店で武器から消耗品まで揃うお店だった。
「あら?早かったわねベリル。」
「おー!ネーメルどの!!」
「!?」
ベリルさんしか視界に入ってなかったネーメルさんはまさか俺たちがいるとは思わずびっくりしていた。
「ヨリツグさんにヤテンラさん!?ちょっとベリル!呼んでるなら言いなさいよ!!」
「あれ?言ってなかったっけ??」
「言ってたらこんな反応しないわよ!」
……初めて会った時のネーメルさんと印象がかなり違う、もっとクールな人だったがあれは仕事モードなんだろうか?恐らくはこっちが素顔。
「はっ!す、すみませんお見苦しい物を…あとでベリルに食事代をださせますので!」
「はぇ!?そん───」
「上官命令」
「しょ、職権濫用だぁ!!」
「お前様、お前様」
隣にいた夜天羅はわざわざ小声で俺に話しかけて来た、内緒話か?
押し問答をしているベリルさんとネーメルさんから少し顔を逸らして話をする。
「お前様…多分じゃがネーメルどのはベリルどのとデートのつもりじゃ」
「えっそうなのか?」
「あんな気合を入れておめかししとるのじゃ、間違い無いのう!」
チラッとネーメルさんの方へ視線を向ける、確かに…そう言われて見ればかなりおめかしをしている。
「……二人とも恋人だったんかな?」
「いや、わしはネーメルどのの片想いな気がするのじゃ!女の勘じゃ!」
俺たちは内緒話をやめて改めて二人の方を見るとそこにはしょぼくれたベリルさんとほんの少し冷ややかな視線でベリルさんを見ているネーメルさんがいた。
「無事にベリルが納得したので買い物を済ませましょう。」
………買い物はつつがなく終わり、夕方になった、昼間の宣言通りに夕食代はベリルさんにご馳走になった。
せっかくなのでこの国の郷土料理をご馳走になりベリルさんとネーメルさんと別れた。
次に会うのは三日後、アキレウサスへ向かうとき。




