第六十四録:立場 一節「豊かな街」
「やはり人の国とはまるで違うのう!」
「だなぁ…」
フォルスラに来て四日が経った、この間に色々とこの街…トリアス・セントラルを観光をしたりギルドへ行ったりと街を色々と見て回った。
友好国というだけの事はあり人の姿が多く見られた、最初は人が妖精か判別がつかなかったが羽以外の特徴がわかる様になってきた。
妖精の体格は人と同じだ、羽が一番の特徴ではあるがそれ以外に少し尖った耳に目尻に特徴的な印が入っている。
最初、ネーメルさんやベリルさんと会った時はそういう化粧かと思ったがこれはどうやら妖精樹の加護の証。
だからか夜天羅の目尻の赤い隈取化粧を見て同族かと何度か間違えられたのはそういう事だと教えられた。
外見的な変化これぐらいだがやはりおどろいたのが街の作りだろう、なんせ───
「基本的に飛んで移動だもんなぁ」
「みなが飛べるから必然じゃな!」
「わー!!」
何度見ても驚きの光景だろう、人が歩いて行き交うのではなく飛んで行き交っている。
一応は階段や橋はあるにはあるが俺たちの様外部から来た人専用みたいな感じだ。
「あ!ヨリツグさーん!」
見上げていた上空から声がしてこちらへ向かってくる妖精が一人。
「ベリルさん!」
軽やかに着地したベリルさんは小走りでこちらへ駆け寄ってくる。
「出発まであと3日ですね!」
「そうじゃのう!」
アキレウサス出発まではまだ時間があり今日はベリルさんに消耗品などのお店を紹介して貰う、ちょうどベリルさんも買いに行くとの事でそれに同行させて貰う。
「今日はよろしくお願いします。」
「はい!では行きましょう!」
俺たちは歩き出す、ベリルさんは気を使ってくれてか羽で飛行はせず歩いてくれる。
…それにしても綺麗な国だ、この世界の街やその他の集落は基本的に自然が多い。
しかしこのフォルスラは群を抜いて自然と共生している、精霊樹を中心としいるのが理由としては一番だろう。
あとは魔力というエネルギーは自然や生命と相性がいい。
植物が光合成をして酸素を作る様に魔力は生命から溢れてくるもの。
生物が多ければ多いほど魔力が豊かになり国の豊かさへと繋がる、この街を見ているとそれを実感する。
「お二人は何を目指して旅をされているんですか?」
「自分の世界に帰るために"異界の扉"を目指しています。」
「異界の扉!?あの外魔の巣窟へ!?」
ベリルさんは驚き思わず後ろの俺たちへ振り返った。
「危険なのは承知の上じゃよ」
「そんな危険な場所へ行かなくとも帰る手段は………そうか、ヤテンラさんは送還魔法の対象外。必然的に異界の扉になる訳ですか。」
「まぁそんな感じです。」
「しかし…最北の地は封印状態、それに加えて前線基地を構築しているはず。」
だろうな…封印したからと言って放置はしないましてや結界で封印するほどの化け物がいるなら尚更。




