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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第一章:旅立ち
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第七録:この世界で─ 三節「安らぎ」

次の瞬間には第二ギルドの帰還広場にいた。

ここ第二ギルドは倒した魔物の引き取りと解体を請け負う場所。

俺たちを迎えたのはギルド職員。

帰還魔法を使用するとギルドに報告がいき

すぐに対応するためにギルド職員が待機する。


ギルド職員は討伐した魔物を見て唖然としていた

まぁ依頼にない魔物、それも一等級だとすれば無理もない。

「こ、これは一体!?クリムゾンヴォーパル!?」

「あー…それについてなんですが──」

俺は自分たちの思惑は伏せて襲われた事実と

襲ってきた予想をギルド職員に伝える。

「な、なるほど…それでやむなく討伐ですか」

「この場合ってどうなるんですか?」

気になるのは依頼を請けていない…

しかも俺たちの等級では受ける事ができない依頼だ。


ウルシヴの件はギルドではなくあくまでも軍が出したお金だ。

「そう…ですね、昇格査定に上乗せの形になるかと…

 素材の売買で利益を出して頂く事になります」

妥当だろう、これが俺の請けれる等級なら話は違ってくるが

請けることのできない依頼を勝手にしてしまった事になる。

これについては文句も何もない

俺たちが勝手した事だからお金も気にしていないしな。


「じゃあ二体とも売却でお願いします。

 あ、クリムゾンヴォーパルの毛皮と尻尾だけは引き取ります。」

毛皮だけのつもりだったがあの尻尾は役に立つと思い引き取る事にした

あの重量を支えつつ引っ張っても千切れなかった耐久性だ。


「はい、承りました。

 では別室で少々お待ちください査定が終わり次第お声掛けします」

職員に別室に案内され待つ事数十分ドアが開き職員が入室する。

「お待たせいたしました。魔物の査定が終了いたしました。」

そう言い2枚の紙が手渡される二人で内容を確認する。

ドレッドラッシュの査定は案の定低いボロボロな上に真っ二つだ仕方がない。

一方でヴォーパルは損傷が少なく毛皮や尻尾を除いても高い値段がついた。

金額に納得をしてサインをして書類を返すと職員は不備がないか確認をする。

「ありがとうございます。では引き取りの

 素材は後日記載の住居までお届けいたします。」

「お願いします」


「それから…これは討伐証明書と素材換金証明書です

 第一ギルドの窓口に提出後、報酬が受け取れます」

手渡された書類を受け取り、取引を終えた俺たちは第二ギルドを後にした。

次に第一ギルド、俺たちがギルドカードを発行した場所へ向かう。

と言っても場所はそこまで離れてはいない

5分ほど歩いた先に第一ギルドがある。担当受付に書類を提出すると


「!?…しょ、少々お待ちください。」

受付が慌て裏の事務所へ駆けてゆく。

十中八九、クリムゾンヴォーパルの件だろう

依頼書を読んだ時、コイツはかなり前から森の奥に住み着いていたようだ

ただ、縄張りに近付かなければ害はなくこの村の兵士を

派遣しようにも管轄の問題で中々難しかったようだ。

それが討伐されたんだ、慌ただしくもなる。


戻ってきた受付からトレーには報酬金が載せられていた。

「お、お待たせしました、これが今回の報酬になります。お納めください」

…正直かなりの額になっている。

あのプレート金額が10枚もある、ほとんどがクリムゾンヴォーパルの金額だ。

俺たちはお金を受け取りギルドを出て世話になっているカルステ家に帰宅した。

裏口のドアベルを鳴らすとセイナさんがで迎えてくれる。


「あら!お帰りなさい!」

「ただいまです」

「ただいまなのじゃ〜」

にゃうにゃんにゃ!

束の間だがこの世界でも帰ると出迎えてくれる

暖かい場所があると言うのは心底安心できる。


「先にお風呂でも入ってくる?その間に軽い食事を用意するわよ。」

「ありがとうございます。先にお風呂もらいます」

二人で2階に上がり先に夜天羅が入りその間に

俺は部屋に戻り荷物の整理、刀の手入れを終わらせる。


「お前様〜お風呂空いたぞ〜」

「あぁ、じゃ入ってくる」

にゃーにゃんにゃ

ちょうどよく夜天羅が風呂から上がってくる

俺とコイスケは浴室に行き身体を綺麗にした

コイスケは珍しくお湯を嫌がらない猫だ

日本にいた頃もよく一緒風呂に入っていた。


一階リビングに降りるとセイナさんが

食事の準備を進めてくれている。

俺たちは席につき一息つく。

「ギルドでの初依頼どうだった?」

「ちと予想外もあったが無事達成できたのじゃ」

「他の魔物が乱入してきて戦う羽目になってしまいました。」

「あら、それは大変だったわね」

「まぁ!わしら二人には敵わんなかったがのう!」

わははと笑う夜天羅。

実際、スムーズに戦闘をこなせたし夜天羅との連携も問題なくできた。

日本にいた時から夜天羅と訓練していた成果がでたんだろう。


「それは頼もしいわね、はいご飯どうぞ」

セイナさんは俺たちの前にホットサンドと暖かいスープを配膳してくれた。

「ありがたくいただくのじゃ」

「ありがとうございます、いただきます。」

「はい、コイスケちゃんもどうぞ」

にゃうにゃ!にゃん!

セイナさんを見つめて一声鳴く。

暖かな食事は食欲を刺激して食べ始めると止まらなくなる。

森に遠征中は干し肉焼いて保存の効く硬めのパンを

食べていたので中が柔らかくふわっとしたパンが普段より美味しく感じる。


今回の依頼は馬車護衛の予行練習も兼ねている

夜天羅は山育ちだが俺はキャンプしか野宿の経験がない。

限られた期間でどれだけ経験を積めるか

分からないがやれる事はやっていこう。

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