第六十三録:監視の眼 二節「もう遊ばないオモチャ」
────「あ〜あ、サタンの奴やられてやんの〜ダッッッサいなー」
…とある場所、まだ少年の様な見た目をした男は興味なさげにそう言うとモニターの画面に映るゲームに集中をする。
その時、自動ドアが開き女性が入室した。
姿は秘書風でピシッとスーツを着こなして凛とした雰囲気を纏っていた。
「カトレア様、以前に故障して戻ってきた者のリサイクルが終わりましたのでご報告に参りました。」
「あー??………あ、あーあアイツね、随分時間かかってたみたいじゃない?」
彼にとっては記憶の隅に追いやっていた古いどうでもいい記憶、それを思い出して気だるげに答える。
「はい、カトレア様が好きにしろとおっしゃっていましたので…研究者たちが色々と試していので。」
秘書はそう言って手に持っていたバインダーをカトレアに手渡す。
「あー…随分とオモチャにされちゃって」
カトレアは資料を一瞥しただけでどんな実験をしたのかを理解した。
「もーこれじゃ自我なんて1ミリも残っちゃいないなぁ…雑魚狩りぐらいにしか使えないね」
「如何いたしましょう?」
「あー……んー……嫌がらせでもしようか!あのなんだっけ?鬼といる異邦者のとこにでも向かわせてリベンジでもさせてあげよう」
ただ…ただただ処理に困り向かわせるだけの冷徹、いや…そんな感情すらない事務的な処理。
「嫌がらせになるのでしょうか?廃棄物の実力ではとても…」
秘書はスペックを見ながらそう疑問を口にした…事実、相手にはならないだろう。
「バーカ、精神的な嫌がらせだよ。」
「コイツを差し向ける事で"狙われてる"って意識を強くしてやるんだよ、特にアイツらにはガラクタがいるから余計に意識するんだよ。」
「かしこまりました…では彼らの目的であるアキレウサスへ手配をします。」
「よろしく〜」
そう短いやり取りを済ませると秘書は部屋を退室、カトレアはリクライニングチェアの背を倒して深く座る。
「さ〜て、どんな反応してくれるかな?予定外の楽しみが増えたなぁ」
「たまにはゴミも役に立っていいね!これぞリサイクル!エコ!」
アハハと笑いながら愉快そうに椅子ごとくるくると回り始めた、その表情は心底愉快で邪悪な笑顔をしていた。




