第六十二録:進展 五節「辿る先」
「そうね、方法は3つよ」
「一つ、私と同じ方法…でもこれは可能性はほとんどないわ。」
「もしそうなら相手も元神となりますしね…。」
その可能性だけは避けたい、正直な話だがもしソレイユレベルの相手なら近衛騎士を全員集めないと勝てないだろう。
「一つ、擬似的な生き返りよ。」
「擬似的な?」
「えぇ、例えば他者の体を乗っ取り記憶を入れ替える。そうすれば本体は死んでも本体の意思は継承されるわ。」
「なるほど…。」
魔法か神の痕跡かは定かではないがこれが現実的なラインではあるな。
だが決断するにはあと一つの手段を聞いてからだ。
「最後は擬似的ではない生き返り…転生よ」
前世の記憶を持ち越したまま再びこの世に生を受ける…なんて法外な奇跡だろうか。
しかし…疑問があるとすれば─────
「それは人にって事でしょうか?」
「お、良い着眼点よ。転生先は選べない、それに人が人に転生する事はあり得ないわ。」
「……人以外、魔族!?」
「それも可能性の一つよアヤ」
「でも…今問題を起こしまくっているのは"魔族"じゃなくて"悪魔"でしょ?」
「待ってくださいソレイユ様、それは元神と同じくらい現実味がないです。」
元神様と元悪魔…実際は違うんだろうが私たちからすれば同じベクトルの存在。
それが転生もしくはソレイユと同じ方法である神格の破棄、はっきり言って信じられない。
「いや〜それがそうとも言えなくてね、悪魔に転生はよくある事だったのよ。」
「よくある事?」
「悪魔は神と同じで魂だけの存在でね、だから普通に転生させるより楽なのよ魂を変質させれば良いからね、でなんで転生させるかは言っちゃえば罪人のリサイクルね」
「罪人の魂を複数纏めて下級悪魔として転生させて罪人を管理させる…もちろんその下級悪魔を管理するのは純粋な悪魔だけどね。」
地獄か…今の今まであるとは確信を持っていたがこうも当たり前に言われると反応に困るな。
「それなら一個人の人格など消えてしまうのでは?」
「まぁ…そうだったんだけどね、異常っていうのはどこにでもあるもので、その個人が消えずに悪魔としての"個"を持ち始めた奴がいるのよ…」
どこにでもか、それが今回の組織の首魁かもしれないと…確かに悪魔と会敵している報告は上がっている、可能性としては大アリって感じか…
「お、お言葉ですが!魂だけなら現世で活動できなんじゃないでしょうか!?」
「そうね、アヤ。貴女の言う通りよ、だけどねむか〜しに大脱獄が発生して体を得た悪魔が逃げ出したのよ」
「なっ!?そんな大事件が!?」
驚きだ…だから悪魔がいるのか。
こうなれば悪魔が首魁なのは確定かもしれないだろう。
「……そんな事を話して良いのですか?」
「大丈夫よ、地獄の今の代表から頼まれちゃってるしね」
「!?」
「なんと!」
地獄の代表…純粋な悪魔に今の話の許可を事前に得ていたのか!
「ま、あっちはあっちで厳しいルールで正確に降魔礼賛の首魁が誰かを言えなかったけど…少なくとも神代を生きた人間が悪魔になったやつね、それも技術に精通した奴ね」




