第六十録:妖精の国へ 四節「謁見」
俺たちはレーヴァテインを停めて早速だがこのフォルスラ王国の首都オヴェリアのティターニア城へ招待された。
巨大な樹木の根元に建てたれた城を夜天羅たちと眺める。
「おぉ…」
「おっきいねー!!」
「そうじゃのう」
不思議な木だ…レーヴァテインで空を飛んでいたのであればこんな巨大な木が視界に映らないはずはない、しかし飛んでいた時には何もなかった。
「すごいでしょう!我が国の"精霊樹の苗木"は!」
胸を張り誇らしげに語るベリル。
この国を象徴と言える木は精霊樹と呼ぶらしい、それにしてもこれで苗木らしい。
「すごいですね…飛んでいる時は見えなかったのは?」
「それはですね!精霊樹の結界のおかげです、精霊樹には自身の身を守る不可視の結界で自身を包み他の者を遠けます!」
「ほう!その様な事ができるんじゃな!……んん?それなら我々はなぜ入れたんじゃ?」
他の者となれば俺たちも例外ではないはずだ、もしやそれが俺たちを迎えにきた理由だろうか?
「私たち妖精族は産まれた際に精霊樹の祝福を受けていて祝福を受けた者は精霊樹に歓迎されます、招待された者も含んでです。」
妖精族と精霊樹は生活を共にする共生関係、それが国を守る事に繋がるか…。
「さ!そろそろいきましょう!我らが王がお待ちしています!」
ベリルさんにそう促されて俺たちは二人の後をついてゆく。
天面がガラスの開放的で明るい城内の廊下を進む、すれ違うの使用人たちは全てが妖精族だろう…光の羽がなければ人と見分けがつかない。
数分ほど歩き到着した豪華な扉の前でベリルさんとネーメルさんの足が止まった。
ベリルさんがドアノッカーを叩くと両開きの扉が内側から重々しい音を立てて開いた。
中は…少し懐かしさを覚えた、それはフィリッツランド城の謁見の間に似ていたからだろう。
「ベリル特務騎士並びにネーメル特務騎士、命により客人をお連れいたしました。」
騎士である二人は片膝をつき目の前の玉座に座っている王へ自信が受けた任務が完了した事を告げた。
「ありがとう二人とも、そして初めまして僕はフォルスラで王を務めるオールヴェレニア・ドゥランデリアだよ、よろしくね。」
そう言ったフォルスラの王オールヴェレニアは気さくな優しそうな青年だった。
驚きではあったがひとまず俺たちはオールヴェレニアさんに対して挨拶を返す。
「縁継です、お招き頂きありがとうございます」
「お初にお目に掛かるのう、わしは夜天羅じゃ。」
王様の前と言う事で礼節をわきまえて丁寧に挨拶を返して頭を下げる。
「あぁ、そんなに堅くならないでいいよ。君たちは大事な客人だからね。」
ここを使うのも形だけだね、と付け加えつつ椅子から立ち上がるオールヴェレニアさん。
「僕の執務室へ行こうか、ベリルもネーメルも一緒にね」
「はっ!!」
二人同時に立ち上がり右手を左胸に置いた敬礼をした、それからはオールヴェレニアさんを先頭に執務室へ移動した。




