第六十録:妖精の国へ 二節「迎え」
───レーヴァテインを飛ばして二日目、積雪地帯を抜けるとフォルスラが一気に近くになる、まだ微妙に雪が残る場所とそれに─
「おーでっかい湖じゃ!!」
「すごいな」
下を見ると確かに大きな湖があった、一県丸々埋まるんじゃないかと思うほど巨大な湖。
少しの間、レーヴァテインを滞空させて景色を眺めていた時だった。
「なんだあれ?」
「どうしたんじゃ、お前様?」
ふと前方へ視線を向ける、まだ距離はあるが何かがこちらへ来ている。
魔物か鳥か…いかんせん距離があり判別がつかない。
空の旅をしていればよくある事、しかし明確な違いがありそれが気になる。
「なんじゃ?光っとる…のか?」
そう…遠目でわかるほどに光っている、鏡が太陽を反射する様に時折強く光を放つ。
さて、正体不明の物体をどうしたものか…攻撃を仕掛けるか迷う。
前方の物体は明らかに俺たちの方へ向かってきている。
「おお!!お前様!お前様!」
「どうした?」
夜天羅は少し興奮した様な何か物珍しい物を見たかの様に俺の肩をトントンと叩く。
「人じゃ!人から光の羽が生えて飛んどるのじゃ!!」
「………マジ?てかよく見えるな」
「まぁの!伊達に射手をやっとるからのうこんくらいは朝飯前じゃ!」
そうこう夜天羅と話していると俺にもギリギリ人のシルエットが見え始めた。
「人だな…しかも二人」
「手を振っているのう、振り返してみるのじゃ」
そう言って夜天羅は右手を大きく振ってた、するとその人?二人はスピードを上げる。
「…合流してみるか?」
「じゃのう、それがよいかものう」
一抹の不安を感じつつも俺たちは接触をしてみることにした。
滞空していたレーヴァテインのハンドルを回して前に前進する。
互いに近づいていたために接触は早かった、二十代だろう男女と向き合う。
軽装備な鎧に身を包み光の羽が特徴的だ、それに…二人が腕に身につけていた腕章。
その紋章に身に覚えがあった。
「貴方たちはもしかてフォルスラ王国の人か?」
「はい!我々はフォルスラ軍、特務騎士のベリルです。よろしくお願いします!」
自身をベリルと名乗った男性、ハキハキとして爽やかな好青年と言った印象を受ける。
「同じく、ネーメルです。よろしくお願いします。」
対するネーメルと名乗る女性にはクールな印象を受けた。
「縁継です。」
「夜天羅じゃ」
お互いに自己紹介を済ませる、初見の印象としては悪い印象は感じない。
「…俺たちに何か用が?」
何か思い当たる節はない、まだフォルスラ国内には入っていない。
だから少し驚きはしていた、今から向かう場所のその騎士に出会った事を。
「はい!お二人をお迎えにあがりました!!」
「!?」
「んー??」
お迎えに上がりました?…一瞬、聞き間違いかと思ったが二人の表情からはそんな気配は感じない。




