余談「出会った日は濃い夕焼けの」後編
コイスケの体毛が乾き猫用の保湿剤を塗布してブラッシングをしてやると。
「おー!ツヤッツヤじゃ!」
ビフォーアフターができるほど見違えた、光を反射する艶のある流れる様な黒毛。
にゃん!にゃにゃーにゃぁん!!
尻尾をピンと立ててご機嫌なのが一目でわかってこちらも満足感がある。
あとは風呂場を掃除してから全員で脱衣所から出る、コイスケにはオヤツをあげる。
んにゃあー!うまうまうま…
「…さっきの話しの延長線なんじゃが名の由来はあるのかの?」
「あー…ほとんど直感なんだよな、コイスケを飼うってなってさ名前をどうするかの時にパッと出たのがコイスケ」
んにゃ?
オヤツを食べていたが口を止めて名を呼ばれたと思いこちらへ返事をしてくれる。
「ごめんごめん食べてていいよ」
にゃーにゃん…
再びおやつに夢中になるコイスケ、その様子をジーッと見ている夜天羅。
「ほんとに賢い猫じゃのう」
「だよなぁ、あまりに利口すぎるんだよね」
コイスケに関して躾という躾で困った事は一度もない。
人のご飯を盗るようなこともしないし、困るイタズラもトイレも困ったことがない。
にゃー!
「お、食べ終わったか」
まるでご馳走様と言っているかの様な鳴き声をして俺を少し見つめた。
そのあとはお気に入りの座布団へ行き入念な位置調整をしてから寝転ぶ。
コイスケが寝てからは夜天羅と一緒に過ごす、恋人とのゆったりした時間がいつもの日常が過ぎていく、気がつけば時刻は夕方だった。
きっと…外はあの日の様な夕焼けになっているだろう。




