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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第一章:旅立ち
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第六録:日常 二節「またどこかで」

俺の採寸はリグレさんが夜天羅はセイナさん別室で行われる。

「なんか…ほんと改めて色々ありがとうございます」

「いいんですよ、まだ一日一緒に

 過ごしただけですがお二人の様な方なら大歓迎です」

俺はこれまでのカルステ一家の善意と好意に感謝した

衣食住の全てを提供してくれる。

リグレさんの言葉にはお世辞ではない本音を感じられる

俺はその善意に何か返したいと思う、きっと夜天羅も同じだ。

明日…ギルドの依頼を見てリグレさんが喜ぶ素材の依頼を請けてみよう。


「ところでお二人が元々着ていた衣服はどうされますか?」

服か…どうしようか、旅をするなら適した格好を

するから着る機会なんて殆どない。

夜天羅の私服はまだしも俺は制服。

旅は約二年と仮定したら日本に帰っても着るかどうか怪しい。


「不躾なご相談なんですが…服をいただけませんか?」

「服をですか?」

「えぇ、他世界の服という希少な服に興味があるんです」

仕立て屋として(さが)なんだろう

俺の世界の服、布、製法、デザイン、etc…興味がつきないと言った感じだ。

恐らく…欲しい理由は分解するからだと思う

構造を理解する為、だから貸してでは目的が果たせない。


「夜天羅の分はまた聞かないとわかりませんけど俺の服はいいですよ」

「!、ありがとうございます」

俺はリグレさんに服を提供することにした

旅をするなら嵩張る物だしリグレさんの役に立てるならと快諾。


「うわー!!おねーちゃんおっぱいおっきー!」

急に大きな声で素直な感想を述べるリリーちゃん

その声は余裕でこちらに貫通する。

「コラ!リリー!」

間髪入れずセイナさんの声が響くと案の定怒られている。

…まぁ隣は隣で和気藹々としていい…のか?


うぅーにゃにゃにゃん!

近くの椅子の上で香箱座りをして目を細めていた

コイスケは大きな声に目を開けて文句を言っている

「すみません…うちの娘が」

「いえ…大丈夫です」

一体何が大丈夫なんだか自分でもよくわかないが

先ほどまでの少ししんみりした雰囲気が消し飛び、俺はちょっと恥ずかしくなる。

いや…一番恥ずかしいのは夜天羅であるが…

そんなこんなで採寸は1時間ほどで無事?終了した。


時間はもう夕方に差し掛かる時間、日が赤く傾き始めた。

「あらもうこんな時間ね…夕飯の買い出しに行こうかしら」

「リリーも行く!お姉ちゃんも行こ!」

リリーは夜天羅のズボンをぐいぐいと引っ張る

すごい、めちゃくちゃ懐いているな…

「そうじゃのう…一緒に行こうかの」

「わーい!」


ニコニコしながら裏口へ向かうリリーちゃん

楽しそうでなによりだ。

「じゃあ、わしは行ってくるのうお前様。」

「あぁ行ってらっしゃい」

それからは団欒を楽しみ夜が更けて行った。


翌日─

朝食後少ししてからゴルドーさんが来訪。

俺たちに身分証を届けに来てくれた。

「─では私はこれで失礼します。」

「あ、リグレさん、セイナさん 

 俺と夜天羅はこのままギルドへ向かいますね」


今日、コイスケはお留守番だ

この世界に来てずっと一緒に行動している

こいつもゆっくりする時間が必要だ。

にゃうにゃなごにゃ!

元気な鳴き声を上げて俺たちを見送るコイスケ

家を出る事を伝えてゴルドーさんと一緒に外へ出て歩き出す。

「…俺だけを連れ戻しにきたわけじゃないんですね」

身分証の件でこの線はないだろうとはとは思ったものの疑問に思い問うてみる。


「本音を言えば戻ってきてほしくはありますがアルメリアの件もありますから」

「それにヤテンラさんは返還魔法の対象外…人のみを

 対象にする事で次元を越える事を可能にしています」

大掛かりな魔法には相応のデメリットがある

今回はそれが人以外の対象を外すか…

どのみち俺たちは異界の扉を目指さざるを得ない訳だ。


「一応…聞きたいんですがクラスメイト達は?」

特段、親しい誰かがいたわけではないが

動向は知っていて損はないだろう。

「ご学友様達は現在、国城で訓練に励まれていますよ」

「そうですか…誰も帰らずですか?」

「えぇ、皆様この世界にご興味がお有りのようで

 私の目から見てですが楽しく過ごされています」

まぁ…別世界に旅行気分だろうな

それに前線に出なくていいという心理的に気軽な面もある

帰りたいと言えば時間は掛かるものの帰してくれる訳だしな。


「では私はこちらの方面ですので」

「わかりました、じゃあまた会いましょう」

「はい、またお会い致しましょう」

再会を約束してゴルドーさんと別れる。

彼はわかっているのだろう、俺達が最北端を目指すならまた出会うと。


「あの者は良い奴じゃのう」

「あぁ、あの人がいなかったら今頃、教会から追われていたかもしれん」

ゴルドーさんを見送り俺たちはギルドを目指した。

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