第六録:日常 三節「等級」
ギルドに到着し、昨日と同じ受付に並んだ、変わらず人が少なくすぐに順番が回ってきた。
「昨日はお世話様でした…今日は登録に来ました」
昨日と同じ受付嬢さんが担当されていて、俺たちは身分証を提示した。
「!…承りました、ではこの書類をお書きになってお待ちください」
受付カウンターに2枚の書類を出した後受付嬢さんは身分証を持ち裏の事務所へその間に必要事項を記載していく書類を書き終わりすぐに身分証とブロンズの名刺サイズのカードを持ち戻ってきた。
「こちら身分証の方をお返し致します。」
身分証を返却され、受付嬢さんは書類を渡してそれを確認していた。
「書類の確認ができました、では…」
受付カウンターにブロンズカードを置くと手をかざして魔力を流し始め、短く淡く光ったのちにカードを差し出された。
「登録が完了致しました、お二人のギルドカードになります。」
受け取ったそれには名前と登録にナンバーが書かれていた、そして等級は─
「ん?四等級?」
夜天羅は疑問を口するなぜか四等級になっている、ファスさんは以前ウルシヴを平均的な強さと言っていたならギルドの等級も四より下があるはず。
「お二人は変異個体ウルシヴを討伐した実績を加味した等級になっております。」
なるほどな…実力主義ってやつか。
腕っぷしが物を言う、好都合と言えば好都合だこれならすぐに等級を上げていけるだろう。
等級を上げれば高報酬の依頼も受けられる、旅をする俺たちにとって唯一の金策だ。
「それでは異邦人のお二人に等級とギルドカードの特典について御説明致します」
まずはギルドカードの特典として当ギルドでの素材の換金、解体を安く請け負っており系列ギルドである
技術ギルド、商人ギルドでの商品購入などの割引を致しています、割引は等級により異なります。
登録料金、年会費には保険料が含まれて、怪我をした際に当ギルド直営の治療院であればお安く治療を受けることができます。
更新については2年に一度、登録日から1ヶ月を過ぎれば失効されますのでご注意を。
ギルドの等級ですが基本は1〜10までです。
10〜8は下級、7〜4は中級、3〜1は上級おおよそはこのような区分になっております。
自身の等級からプラス2までは自己責任になりますが依頼を受けることができ昇級へのポイントが大幅に加算されますですが繰り返しになりますが自己責任となり死亡、重大な怪我などの保証は致しかねます。
続いて昇級ですが依頼達成時にポイントが付与さますので依頼の失敗、規約違反等で減点になりますのでご注意ください。
そうしてポイントが規定の数に達すると昇級試験である戦闘試験があり、同じ昇級対象と試合で勝利を収めると無事昇級になります。
これは余談ですございますが一等級より上の聖銀と呼ばれる特別戦力に選ばれる方もいます
しかしこちらの昇級基準は私ども末端では存じ上げません…御説明は以上になりますがご不明な点はございますか?
「詳しい説明ありがとうございます。特に大丈夫です、助かりました。」
「して、その登録料金はいくなんじゃ?」
そうだ…俺たちはまだ料金の支払いをしていない、お金を取り出そうとした時に受付嬢さんは衝撃的な一言を言う。
「初回の登録料金はファス様から頂いております。」
「ほう!?」
「ファスさんが!?」
「はい、ファス様からお二人への餞別として受け取っています。」
魔物を倒した俺たちへの個人的な感謝の気持ちということなんだろう、ファスさんの気持ちをありがたく受け取る。
「そうですか…対応ありがとうございました」
「感謝するのじゃ」
二人で受付嬢さんに会釈をしてからその場を離れる。
「このまま兵舎へ向かうかのう?」
「早速だけど、依頼を受けよう。」
ちょっと意外な顔をした夜天羅。
彼女にはまだ話していない、俺が昨日思っていたリグレさんへのお礼品のことを話す。
「それはいいのう」
「多分、喜ぶんなら服の素材とかなんだと思うんだよな…依頼があればいいけど」
夜天羅と話つつ足を依頼窓口へ進めた少し混雑しており長い列に並ぶ、時間は掛かったものの受付カウンターにできたばかりのギルドカードを提示して依頼書を見せてもらう。
ペラペラと紙を捲っていく…やはり平和な村なだけあって依頼の難易度が低い七〜十級がほとんどを占めていた。
「ん〜中々ないのう」
隣で一緒に依頼書を見てる夜天羅が呟く。
半分以上依頼書の束を読み進めた所で手が止まり俺は依頼書を手に取った、二人で内容を確認して顔を見合わせる。
「これをお願いします。」
「承りました、ご武運を」
依頼を受けてギルドを後にした時間は昼に差し掛かり昼食を取ってから兵舎へ向かう。




