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手がかり、足がかり 1




アルバート様の来訪から、そろそろ一年半が経とうとしていた。


相変わらずミクの消息は分からず、私は能力(ギフト)を壊す魔道具が造れないか、研究を重ねていた。


能力(ギフト)は、秘匿されているが、持っている人がいないわけではない。


3歳の魔力測定の時分かったものは、神殿で記録され厳重に管理•保管されているそうだ。


これを教えてくれたのは、今や最年少銀衣神官(会社で言うと、役員レベル)となったトリフィル様だ。


エドウィン様の仲介でトリフィル様と接点を持った私は、ミクを探したいこと、そのためには、能力(ギフト)を壊すか封じることが不可欠だということを熱心に説いた。


そして——多分、魅了が解けてもミクを愛しているトリフィル様は、協力をしてくれることになった。


神殿によって研究されていた能力(ギフト)の資料を、特別に見せてくれたのだ。


皇宮の報告書より、はるかに詳しいそれは、研究の足がかりとなった。


能力(ギフト)が発動する時、微細な魔力の流れがあることが分かったので、まずそれを検知する魔道具を開発した。


これが出来たのは、つい最近だ。


これを使って、その魔力を検知すると妨害(ジャミング)する魔道具を開発する方向で、私は動いている。


———でも正直、これでは弱い。

魔道具であるだけに、故障することもあるからだ。


悶々と考えていると、研究部屋の入り口がノックされた。


「やあ、レティ。入っても?」


「…また来たんですか?ウィン。

いくらワイバーンを貰ったからって、3日前も来ませんでした?


流石に側近の皆様(アルバート様達)も怒るでしょう?」



私が苦言を呈すると、エドウィン様はニヤリと笑った。


「今の私の最優先は、皇太子妃を迎えることなんだそうだ。


ほら、わたしはちゃんと責務を果たしているぞ」


両手を広げて得意そうに言う彼に、頭を抱えた。


また外堀を埋めて来てる!


更に、最近北の大国からワイバーンの番いを譲り受けたそうで、すぐ乗りこなしたエドウィン様は、度々こちらに来る。


馬車で1週間かかる距離も、ワイバーンだと5時間程だ。


最近妙に仲の良いワルター王子を乗せてあげるということで、隣国なのに乗り入れを許可されているのもどうかと思う。


私がジトっと見つめていると、エドウィン様は苦笑を浮かべた。


「邪魔はしないよ、レティ。

でも、少しレティを補充させて」


そう言うと、私を抱き寄せて、ぎゅっと腕の中に閉じ込める。


何だか小さな子が甘えて来ているように感じて、私は背中をぽんぽんと叩いてあげた。



———ええ、分かってます。

距離感おかしいですよ?


これはこの一年半で、度々エドウィン様が体調を崩した弊害だ。

侍医によると、あの食事や睡眠を拒絶していた時のダメージは、確実にエドウィン様の内臓を痛めつけていたらしい。


エドウィン様は私の回復魔法が一番効きが良いと主張して、体調を崩すと私を呼び寄せる。


いや、確かに回復魔法って相性があって、家族とか友人とかにかけてもらった方が効くけども。


——結局私も、心配は心配だし、面倒を見ることになる。


熱に浮かされたエドウィン様はとても甘えん坊だが、甘え方も子どもみたいで、スキンシップにいやらしさがない。

        

そして、スキンシップ過多に慣らされるという、見事な構図だ。

嵌められてるとも言う。


それでも——求婚は受け入れてない。

まだ、その気にはなれない。


今はまだ、この距離感で良い。そう思う。







                 

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