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手がかり、足がかり 2



そうやっている間に、突然閃いた。

子どもの頃を思い出していたからかも。


昔、皇太子妃教育を受けていた時。

皇宮の図書館で、禁書の閲覧を許されていた。


そこで能力(ギフト)を調べている時に記載がなかったか?


『神によって、能力(ギフト)は奪われた』と。


やはり、『能力(ギフト)』は、外す方法があるのではないか?

それも、ヒントは歴史書ではなく、神話の類にあるのでは……?



「ウィン‼︎」


突然叫んだ私に、身体をビクッとさせて、エドウィン様は腕を緩めた。


私はエドウィン様の服の胸元をぎゅっと握って、懇願した。


「お願いします、私に皇宮の禁書を見せていただけませんか?


ちょっと思いついたことがあって」


私の()の必死さを見てくれたのだろう。

エドウィン様は真面目な表情(かお)になって、頷いた。


「大丈夫、私の権限で見せることができるよう計らう。


いつ行く?」


「……私もワイバーンに乗せてもらうこと、できますか?


出来るだけ早く行きたいです」


「わかった。じゃ、準備もあるだろうから、明日の朝出立しよう。


私は部屋にいるからね」


私の頭を軽く撫でて、エドウィン様は出て行った。


エドウィン様は、あまりによく来るので、専用の部屋を我が家に作っている。

そこで、明日の調整の手紙を書いてくれているのだろう。

伝書便——訓練された、飛行種の魔物で手紙や小さな荷物のやり取りをするシステム——だと、明日の朝には皇宮に着くはず。


私も、慌ててベルとカティに伝言を出し、侍女に旅の支度をしてもらった。

ベルとともに商会を任せている、トーマスにも連絡を取る。


因みに、トーマスはベルの恋人だ。


最初に聞いた時、二人とも必要な人材だから、軽い気持ちでは付き合ってくれるなと言ったんだけど、トーマスはベルを『絶対離すつもりはない』と断言した。


なら良い。

ベルが幸せになるならそれで。


結婚は、ベルがまだ考えられないと拒否しているが、時間の問題だろう。

トーマスは平民だが、ベルは実家の伯爵家ともほぼ絶縁状態だし、障害は少ないはず。

あっても私が粉砕するけど。



そんな事を考えている間に、立て続けにカティとベルが帰ってきた。


少し間を置いて、トーマスも。



私は事情を説明して、トーマスとベルに暫く商会のことを託した。

集中して調べないといけないから、商会まで手が回らない。


カティには、ベルはもちろんナナとアリーのことをお願いした。


無理してでも突っ走る3人を、程よく止めて欲しい。


そう言うと、カティはフワッと微笑んだ。


「お任せください、メグ。

()()はきちんと取りますわ」


——うん、蒼星の会で一番怒らせてはいけないのは、カティだもんね。


この前だって、アリーを嫁にしたいから協力してくれと言ってきたワルター王子に、「遊び人はおとといきやがれ、ですわ」と追い払っていた。強い。



——うん、まあ、とりあえず安心かな。


私は、魔道具学校に出す短期休学届を手に取って、記入を始めるのだった——




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