表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/47

取り戻すために 5




いつの間にか、私も寝てしまったらしい。


長椅子には、私だけが横たわっていた。


私の上には、エドウィン様の上着がかけられていた。


久しぶりのエドウィン様の香り。

ちょっとむず痒いような気分になって、私は身体を起こした。


「レティ」


声に少し張りが戻ってる。

私は、声のした方を向いて、微笑んだ。


「ウィン、元気が出ましたか?」



お風呂に入ってさっぱりしたのだろう、

顔色も髪の色艶も少し良くなってる。



少し恥ずかしそうにしながら、頷くエドウィン様。

私は、とりあえずの危機を乗り切ったとホッとした。



「来てくれたんだね」


「ええ、アルバート様にご心配をかけてはいけないですわ。

呼びに来てくださったのですよ」


「ははっ、レティを連れて来てくれたんだから、心配かけて良かったよ」



言いながら、エドウィン様は、隣に座って良いかと聞いた。


少し端に寄って、どうぞという意思表示をすると、彼は以前より拳3つ分ほど間を空けて腰掛けた。


——もう、婚約者じゃないからね。


「元気だったみたいだね」


少し寂しそうに、エドウィン様が話しかけてきた。

私は、ニコリと笑って答える。


「ええ、仲良しのお友達と、仕事仲間達と、楽しくやっていますわ」



「私は……元気で居られなかったよ」


珍しく弱音を吐くエドウィン様。

でも、声は強くしっかりして。


私は、何が言いたいのか、計りかねる。


「そう、なのですね。

あ、ミクが居なくなったから…」

「違う‼︎分かってるよね⁉︎」


私の言葉を激しく遮って、エドウィン様は両手で頭を抱えた。



「私が望むのは、いつも、どんな時も、君なんだよ。


今回こんな面目無い事になったけど、諦めようと頑張ったけど、もうどうしても無理なんだ‼︎」


叫ぶように言って、彼は私の足元に跪く。


「ごめん、レティ。

私はどうしても、君を離してあげられない。

君が居ない世界は、私に取って生きる価値が無い。


——本当はね、あのまま無理を続けて、死んでしまいたかった。

ずっと溺れているように苦しくて、苦しくて。もう楽にしてくれと、誰か殺してくれと、何度思っただろう。


でもね。


レティが来てくれたから、私は眠れるし、食べられる。

生きる意味と価値を見つけられる。

民のことを、国のことを、友のことを考えられる。


今回、よく分かったよ。


だから、恥知らずにも、君に乞う。

私と結婚してください。


君が嫌と言っても、私は一生諦めずに追いかける。

妃として、君以外に誰も要らない。

君が結婚してくれないなら、私の血筋は繋がなくていい。



レティ、出逢ってから今までも、これからも、私が生きている限り望むのは君だけなんだ」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ