第62話:続、デート??
「んじゃ、俺はそろそろ行くぜ」
手を振りながら、
ロイドが席を立つ。
「あぁ、そうだ」
扉の前で振り返った。
「そろそろ商業ギルドの決算日だろ?」
「たまには旦那のところにも顔出せよな」
「わかった」
「また今度な!」
穏やかな表情で手を上げるユウト
「……」
ロイドは返事をしたユウトを、
しばらく無言で見つめた。
「なんか兄ちゃん、変わったな」
「見た目だけじゃなく、中身もな」
どこか安心したような、
優しい表情だった。
「そうか?」
「あぁ」
ロイドはニヤッと笑う。
「隣の姉ちゃんと仲良くな」
(どういう事だ?)
そう言い残し、
ロイドは去っていった。
扉が閉まる。
「……」
その扉を見つめる、
シオリと親父。
「さてと……」
シオリがゆっくり振り向く。
「レグナスが来たのね?」
「はぁ??」
ユウトが声を上げ驚く
「はい」
親父は普通に答えた。
「おそらく、彼に会いに来たのかと……」
「やっぱりね」
「ちょっと待て!」
ユウトが身を乗り出す。
「なんで分かるんだよ!」
「さっき言ったでしょ?」
「手もみしながら、
ニヤケヅラで向こうから優斗に会いに来るって」
「そうじゃなくて!」
「なんでレグナスが来たって分かるんだよ!」
「うーん……」
シオリは首をかしげる。
「わかんない」
「なんとなくよ」
「本当に、
そんな感じがしただけ」
そう言いながらも、
本人も少しだけ戸惑った顔をしていた。
「それで?」
「何か聞かれた?」
「特には何も」
親父が肩をすくめる。
「食事をして、帰られました」
「そう……」
シオリは黙り込む。
何かを考えている。
「……」
次の瞬間――
にやり、と。
明らかに悪い顔になった。
「優斗」
「デートの続きよ!」
「どこ行くんだよ?」
「ひみつ」
シオリは端末を操作する。
数分後――
店の扉が開いた。
「お迎えに参りました」
「バルド様」
「え?」
ユウトが振り向く。
そこにいたのは――
バルドの姿になったシオリだった。
「さぁ、行くぞぃ」
「ちょっ――」
腕を掴まれ、
そのまま店の外へ連行される。
(なんでだああああ!!)
そのまま車へ押し込まれた。
「あの……どちらへ?」
「ひみつじゃ」
バルド姿のまま
楽しそうに笑う。
(詩織の奴……)
(何がデートだ)
(これじゃ介護じゃねぇか)
不満を抱えながらも
車は静かに走り出した。




