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最強の創造スキルを手に入れた俺、異世界で大儲けできると思ったら現代科学より上でした  作者: おりこー3


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第50話:スキル

「ねぇ、優斗―」

「あなたのスキルは何?」


空気が変わる。



「……」


(言っていいのか……?)


ユウトは視線を動かす。



アメリ。

そして――うら飯屋の親父。



「あぁ、その二人なら大丈夫よ」


シオリがあっさりと言う。


「そうね。先に紹介すべきよね」


軽く指を立てる。



「彼は――タナベさん」


「私と一緒に、この世界に転生された人よ」


親父へ視線を向ける。



「……は?」


(それって、つまり……)


パチン。

シオリが指を鳴らす。



「……!」


親父の姿が歪み、変わる。


現れたのは――スーツ姿の男。


そのスーツ、見覚えがある。

あの日。


ビルから――落ちてきた。



「こいつが!!!」


ユウトの声に、怒りが滲む。


一歩、踏み出す。



「待って!」


シオリがすぐに止める。



「彼も被害者よ」



「……」


(そうか……)

(こいつも、魔王に……)


(けど……)



(でも……!!)



奥歯を噛み締める。


行き場のない怒りを、無理やり押し込める。



「彼もスキル持ちよ」


シオリが、話を戻す。


タナベに視線を向け、頷く。


タナベも静かに頷いた。



「私のスキルは“調理”です」


「どんな食材でも、美味しく料理することができます」



「……え?」


ユウトが間の抜けた声を出す。



「それだけ?」

「えぇ……」


一瞬の沈黙。


(……微妙すぎるだろ)


怒りが、すっと引いていく。

代わりに、別の感情が湧く。


(かわいそうだな……)



「むっ!」


タナベが不満そうに眉を寄せる。



「凄いんだぞ!」


「見たことのない食材でも、イメージ通りの味になる!」


必死のアピール。



「……あぁ、うん」


ユウトは微妙な顔で頷く。



「クスッ」


シオリが小さく笑う。


空気が、少しだけ和らぐ。



「私のスキルは“超科学”よ」

「イメージした現象を、素材さえあれば実現できる能力」


「それでこの街か……」


ユウトが周囲を見る。



「あたり!」

「最近は近隣の村にも影響出てるわ」


シオリがドヤ顔で頷く。


(やりすぎだろ……)



「……この流れ」


「まさか、アメリさんも……」


視線を向ける。



「アメリは違うわ」


シオリは首を振る。



「助けてくれたのよ」


少しだけ、声のトーンが変わる。


---


「転生された日、魔物に襲われてね」

「冒険者だったアメリに助けられたの。」


「その後も、見ず知らずの私たちを世話してくれて」


「私たちにとってアメリは恩人なの」


「……」


ユウトは、静かにアメリを見る。



「そうか……」


小さく頷く。



「分かった」


「俺の猫背を治す切っ掛けをくれた」

「俺にとっても恩人だ」



「……」


全員が沈黙する。



「俺のスキルは――“創造”だ」



「理解しているものなら、何でも創り出せる」


「材料もいらない」


「一生働かずに生きていける能力だ」


シオリに負けずドヤ顔するユウト



「やっぱりね」


カップ麺の容器を、指で弾く。


そして――

ゆっくりと、ユウトへ歩み寄る。



「ねぇ、優斗――」


少しだけ真剣な目。



「私と組まない?」


「……は?」


「私たちのスキルを組み合わせれば」

「最強のコンビになると思わない?」


「どういうことだ……?」


「鈍いなー」


シオリが肩をすくめる。


「私が“原理”を説明する」

「優斗が“理解する”」


「そして――創造する」


「……!」


ユウトの目がわずかに開く。


「確かに……!」

「その手があったか……」


頭の中で繋がる。


(理論と、実現)

(制約なしの再現)

(……最強だろこれ)


だが――


(でも……)

(これってつまり……)

(俺、勉強漬けじゃね?)



一瞬で冷静になる。



「……詩織」


少しだけ申し訳なさそうに口を開く。


「悪い」


「無理だ…」


「……へ?」


シオリが固まる。



「勉強は苦手だ……」


静かに、言い切った。


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