第41話:休日
目が覚めたのは、昼をとっくに過ぎた頃だった。
「……ん……」
ぼんやりとした意識のまま、天井を見つめる。
しばらく動かない。
「……何時だ」
ゆっくりと身体を起こし、端末に手を伸ばす。
画面をつける。
通知 20件
「……は?」
一瞬だけ固まる。
開く。
――全部、副社長のアメリからだった。
「……」
ざっと目を通す。
内容は――
どうでもいいものばかり。
『おはよー☀️』 『起きてるー?』 『ねぇねぇ(´ω`)』 『ヒマだよー』
「……」
静かに画面を閉じる。
「スルーでいいな」
端末を放り投げる。
再びベッドへ倒れ込む。
「……」
天井を見つめながら、ふと思う。
(この端末って……)
(連絡用でしか使えないんだよな)
少し考える。
(この世界、ネットとかあるのか?)
情報共有。
検索。
娯楽。
(もし無いなら……)
「新しい金になるかもな」
ぽつりと呟く。
だが――
(俺にそんな知識ねぇか)
すぐに結論が出る。
「無理だ」
あっさり諦める。
再び沈黙。
そのまま、何もせず時間が過ぎていく。
気づけば――
外は夕方になっていた。
その間。
トイレと食事以外、一歩も動いていない。
食事は、創造スキルで出したお菓子とサンドイッチ。
袋や包みが、部屋の中に適当に散らばっている。
軽く手をかざす。
それだけで――
ゴミは跡形もなく消えた。
再びベッドへ。
何もせず。
ただ、転がる。
時間だけが過ぎていく。
やがて――
夜。
外から、けたたましい警報音が響いた。
「……またか」
起き上がることもなく呟く。
カーテン越しでも分かる。
街が赤く染まっている。
だが――
動かない。
そのまま、ゴロゴロと転がる。
しばらくして。
警報が止んだ。
赤い光も消え、元の夜に戻る。
「……」
もう驚きもしない。
魔物の襲来にも、すっかり慣れてしまっていた。
「……今日は」
小さく息を吐く。
「本当に何もしなかったな」
ここ数日――
「2日間も働いてしまったしな」
「……まあ、いいか」
ベッドに身体を沈める。
「たまには、こういうのも」
悪くない。
静かな夜。
何も起きない時間。
それを、ただ受け入れる。
ユウトは、つかの間の休息を楽しんでいた。
「明日からは忙しくなりそうだ」




