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最強の創造スキルを手に入れた俺、異世界で大儲けできると思ったら現代科学より上でした  作者: おりこー3


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第30話:夜空をかける帰路

ウラジオ商会を後にし、ユウトはロイドの運転する車に乗り込んでいた。


助手席にはレイヴンが静かに座っている。


外はすでに夜になっていた。

街には無数の灯りが浮かび上がり、幻想的な光景が広がっている。



やがて車体がわずかに浮かび上がった。


静かな駆動音と共に、車は地面を離れ――そのまま空へと滑り出す。



「今日は色々あったな」


ロイドがハンドルを握りながら、口を開く。



「そうだな……思ったより大事になった」


ユウトは苦笑しながら答える。


窓の外には、空中を行き交う光の軌道。


地上とは別の静かな流れが、そこにはあった。



しばらくして――



「……一つ、よろしいでしょうか」


不意に、レイヴンが口を開いた。


ユウトは少しだけ驚いたように視線を向ける。



「はい、どうしました?」


「今後のことを考えますと……あなたの新しい部屋の場所を把握しておきたいのですが」


淡々とした口調。


だがその言葉には、明確な意図があった。


「何かあった際、すぐに動けるようにするためです」


「なるほど……確かに、その方が助かります」


ユウトは軽く頷く。



「そういや、約束だったな。」


ロイドがすかさず会話に乗る。



「おまえを探すのに2日も掛かっちまった」


「そんなに?悪かった」


ユウトは小さく息を吐いた。


気づけば、自分はもうただの異世界の来訪者ではいられなくなっていた。



「じゃあ、先に新居の方寄るか?」


ロイドの問いに、ユウトは頷く。



「ああ、頼む」


車は、ゆるやかに高度を下げていく。


やがて辿り着いたのは、街の中でも比較的落ち着いた区画。


人通りはあるが騒がしくはない、住むにはちょうどいい場所だった。


静かに着地し、車体がわずかに揺れる。



「ここです」


ユウトが指差す先には、新しく借りることになった建物がある。


ロイドは車を止め、外へと視線を向けた。



「ほぉ……いい場所じゃねぇか」


レイヴンもまた、無言で周囲を観察している。


建物の構造、周辺の視界――

その全てを確認するような視線だった。



「入居は来週からなんですが」


ユウトがそう言うと、ロイドは頷く。



「十分だな。場所さえ分かりゃ、いざって時に動ける」


「……問題ありません」


レイヴンも短く答える。


その一言で、この件は終わった。



「んじゃ、ホテルに向かうか」


ロイドが再びハンドルを握る。


車体がふわりと浮かび上がり、再び夜空へ。


街の灯りが、まるで星のように下に広がっていく。





やがて車はゆっくりと地面へ降り立ち、ホテルの前で止まる。



「着いたぞ」


ロイドの一言に、ユウトは頷いた。



「ありがとう、助かった」


ドアを開け、車から降りる。


夜の空気が、わずかにひんやりと肌を撫でた。



「また何かあったら呼んでくれ」


ロイドは軽く手を上げる。



「その時は頼む」


ユウトがそう返すと、助手席側の窓が開いた。



「本日はお疲れ様でした」


変わらぬ丁寧な声音。



「お気をつけてお過ごしください」


「ありがとうございます。そちらも」


短いやり取り。


それだけで、互いに十分だった。



「んじゃな」


ロイドが軽く言い、車を発進させる。


車体は再び浮かび上がり、そのまま夜の空へと消えていった。


一人残されたユウトは、しばらくその場に立ち尽くす。



「……」


静かな夜。

だがその奥に、何かが潜んでいるような感覚。


振り払うように小さく息を吐き、ユウトはホテルの中へと足を踏み入れた。


束の間の平穏は――

確かに、そこにあった。



車は夜空を滑るように進んでいく。


ホテルの灯りはすでに遠い。


しばらくの間、車内に会話はなかった。

やがて――



「……珍しいな」


ロイドがぽつりと口を開く。



「お前がわざわざ出てくるなんてよ」


レイヴンは少しの間を置いてから答える。



「ウラジオ様からの指示だ」


短く、簡潔な返答。


ロイドは小さく笑う。



「やっぱりな」

「過保護だな、旦那も」


レイヴンは否定しない。


ロイドは軽く肩をすくめる。


レイヴンは窓の外へと視線を向けた。



「気になることがある」


静かな一言。



「バルド商会が彼に接触する可能性がある」


「でもよ、バルド商会自体はまともだろ」


ロイドの目がわずかに細くなる。



「問題はそこではない」

「利害の問題だ」


レイヴンは短く答える。


ロイドは納得したように頷いた。



「旦那が手放したくねぇってわけか」


「そういうことになる」


レイヴンの声は変わらない。



「彼の存在は、今後の商会にとって重要だ」

「他に渡す理由がない」



ロイドは軽く笑った。



「商人様の考えることはオレには分からないねぇ」



車は夜の空を進んでいく。


静かな街の上で――

ユウトを巡る策略が、確かに動き始めていた。

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