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最強の創造スキルを手に入れた俺、異世界で大儲けできると思ったら現代科学より上でした  作者: おりこー3


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第29話:小さな違和感

ウラジオ商会、本館応接室。


重厚な扉の向こう――室内には三人の人影があった。


ウラジオ。

その傍らに控えるレイヴン。


そして、正面に座るユウト。



静かな空気の中、最初に口を開いたのはウラジオだった。



「この度は――本当に助かりました」


そう言うと、ウラジオは深々と頭を下げた。


商会の長である男が見せるには、あまりにも真摯な礼だった。



「いえ……俺は大したことはしていません」


ユウトは軽く首を振る。



「結果として、こちらにとっても大きな利益となりました。それに――」


一瞬、言葉を切る。


「バルド商会の副社長、アメリ殿より直接連絡がありました」


ウラジオの言葉に、ユウトの視線がわずかに動く。



「今回の件についての正式な謝罪、そして賠償金の支払いがなされるとのことです」


「そうなんですね……」


ユウトは静かに頷いた。



「さらに、ゼルディア商会は責任を取り――廃業となるそうです」


「……何もそこまでしなくても」


わずかな違和感が残る。



一方、ウラジオは


(副社長自ら、か……)


ウラジオは、表情を崩さぬまま思考を巡らせる。


大商会において、上に立つ者ほど細かい案件には関わらない。


それが組織として自然な形だ。


今回の件は確かに無視できる規模ではない。


だが、それでも副社長が直接動くほどのものではない。


(本来なら、部下に任せるはずだ)


それをあえて、自ら出てきた。


そこに、わずかな引っかかりが残る。


副社長という立場の人間が動く時、理由は限られている。


組織の方針に関わるか。


あるいは――


(個人的に、見ておく必要があると判断したか)


そこまで考えたところで、思考が自然と一つの存在へと向かう。


(……ユウト殿が目的か)


視線は動かさない。


だが意識は、確かにユウトへと向いていた。


今回の一件で、最も異質だった存在。


偶然で片付けることもできる。


だが――副社長が動いた理由として考えるなら、筋は通る。



(……杞憂であればいいが)


小さく息を吐く。


それ以上、深く考えることはしない。

だが一つだけ、心に留めておく。


(余計な接触がなければいい)



「……どうかされましたか?」


ユウトの声で、思考が現実に引き戻される。



「い、いえ」


ウラジオはすぐに表情を整えた。



「問題が一つ片付きましたのでね。転売の件もなくなりましたし――」


軽く笑みを浮かべる。



「これからは、さらに売上を伸ばしていけそうだと考えていただけです」


「そうですか」


ウラジオは内心で小さく評価を改める。



「そこで、第2弾です!」


ユウトは話題を切り替える。


「次の商品も用意してきました」


そう言うと、手に持っていた鞄を開ける。


中に手を入れ――二本の瓶を取り出した。


赤と、淡い緑。



「こちらが……?」


ウラジオが視線を向ける。


「イチゴ味とメロン味です。」


ユウトは丁寧に説明しながら、テーブルへ置いた。


レイヴンとウラジオの視線が瓶へと向く。


既に扱っている商品と同じ形状。


だが、その色味は明らかに異なっていた。


ウラジオは一本を手に取り、光にかざす。


ガラスの内側、封じられたビー玉が静かに輝いていた。


「……なるほど」


初見の驚きはない。


だが、それは価値が下がったことを意味しない。


(売れないこともない)


商人としての判断は早かった。



「こちらも、販売させていただきます」


「はい、お願いします」


短いやり取り。



「では、俺はこれで…」


「あぁ、お待ちください。」

「帰りはレイヴンとロイドに送らせましょう」


(…レイヴンまで?)


「ありがとうございます。」


「…レイヴン、頼みましたよ」


「承知いたしました。」


レイヴンが深々と頭を下げる。


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