第3話:都市で商売開始!
「売れた売れた!」
ユウトの手には小銭が数枚
「この世界の硬貨って日本円と同じなんだな…」
「年号は書いてないな」
100円玉を手に取り確認するユウト
石鹸とライター
合わせて800円になった。
「もっと作っておけばよかった…」
村での小さな成功を胸に、ユウトは街へ向かっていた。
村へ来る途中、右を選んだ道
左に行ってれば街だったらしい。
距離はそれほど離れてないようで徒歩で向かうことにした。
「自転車を創造してもいいけど、街に着いたら荷物になるしな」
嘘である。
誰に対してかわからないが、ユウトは自転車に乗れないのだ。
⎯⎯
しばらくすると大きな門が見えてきた。
木々の隙間からは壁も見え始める。
コンクリートのような素材でできた立派な壁
「すげー…」
門をくぐるユウト。
その瞬間-
目の前には高層ビルと近未来的な街並みが広がっていた。
空中には光る広告パネルが浮かび
車は空中を漂っている。
「はああああああ??」
(なんだよこれ…)
「俺は夢でも見ているのか?」
「一応やってみるか…」
キョロキョロしながら街を歩き回るユウト
ゴミひとつ落ちてない街道
しばらく歩き続けると屋台が立ち並ぶ通りに出た
(ここなら良いか…)
木製の台にライターと石鹸を並べるユウト
今回は多めに用意した。
「いらっしゃいませ〜」
素通り
「いらっしゃいませ〜」
素通り…
「いらっしゃいませ〜」
素通り…
「…」
(商売って大変だな)
(そうだ…)
ライターを手に取り火を付けてみせる。
「いらっしゃいませ〜」
「火がつく道具はいかがですかー?」
耳を真っ赤に染め上げ大きな声でアピールする。
「い、いらっしゃいませー」
素通り…
その時
「ねぇねぇ、これなぁに?」
1人の子供が動物の形をした石鹸に興味を持ちだす。
「これはね、石鹸って言うんだよ」
「こうして、水を少しつけてこすると…」
「手が綺麗になる!」
「ほんとだ!」
「さらに…」
石鹸の着いた指で輪を作る
息を吹きかける
ユウトの手から大きな風船ができあがる
「きれー!」
それを遠目で見ていた子供たちが集まってきた。
「お兄ちゃん、もっとみせて!」
「わあ、虹みたいな泡!」
「もっとやって!」
ユウトは苦笑しつつも手を動かす。
「ちょ、ちょっと待って」
「手が追いつかない!」
子供達の歓声に大人たちも集まり始める。
ユウトは小さくニヤけた。
「いらっしゃいませー」
「石鹸とライターいかがですか?」
「石鹸は分かるけど、ライター?」
「火をつける道具です」
「火ねぇ… 家で飯作る以外いつ使うんだ?」
「え…えっと……」
(この世界、まさか火を使う機会少ないのか?)
その時
ピーーーーッ
遠くから笛の音
衛兵が駆け寄ってきた。
「おい、君!」
「君か?無許可で商売してるのは!」
「ここは商業ギルドに登録してない者は販売禁止だ!」
ユウトは目が虚ろになる。
「え、ええ……!?商業ギルド??」
「商売できないの?」
肩を落とし荷物をまとめるユウト
その姿を見て衛兵は去っていく
「お兄ちゃん、怒られちゃったね」
ユウトはため息をつく。
「俺って……」
「大人に怒られると…やる気0になるんだよな」
「うちの子も楽しんでたみたいだけど…」
「ルールは守らないとね。」
近くで見ていた母親がそう言い残し
子供を連れて帰る。
「今日の商売はここまでか…」
「なんか、どうでもよくなってきたな…」
しかし
「……」
子供達の喜ぶ姿が頭に浮かぶユウト
「まあ、悪い気はしなかったな」
(それに…)
何かを思いつき、ニヤリと笑う。




