第23話:創造スキルの使い道
ホテルに引きこもって――
1週間ほど経っただろうか。
ユウトは、一度も外に出ていない。
部屋の中。
ベッドの上でゴロゴロしながら、漫画を読んでいる。
「……次これ読むか」
読み終えた一冊を、適当に横へ放る。
その周りには――
積み上がった漫画。
床にはお菓子の袋。
空の容器。
飲みかけのボトル。
完全に散らかった部屋。
「……まあいいか」
全く気にしない。
理由は単純。
「――消去」
軽く呟く。
次の瞬間。
床に散らばっていたゴミが、一瞬で消えた。
跡形もなく。
「便利すぎだろ……」
思わず笑う。
この1週間で分かったことがある。
創造スキルで作ったものは――
消せる。
しかも、意識するだけでいい。
「掃除いらずとか、最高かよ」
さらに――
手をかざす。
イメージするのは、昔読んだ漫画。
――生成。
手の中に、漫画が現れる。
読んだことのあるもの。
理解しているもの。
それなら問題なく創れる。
お菓子も同じだ。
食べたことのあるものなら、再現できる。
ポテトチップスを一枚つまむ。
味も、食感も、いつも通り。
「これもう、買う必要ないな……」
寝転がったまま、もう一枚。
さらにもう一枚。
「もう働かなくても生きていけるな、これ」
適当に呟く。
そしてまた漫画に手を伸ばす。
「……次どれ読むかな」
選び放題。
食べ放題。
やりたい放題。
「……最高だな」
誰にも邪魔されない。
完全な自由。
完全な引きこもり生活。
そして――
読み終わった漫画を見て。
「――消去」
また一瞬で消える。
「やっぱ神スキルだろこれ」
軽く笑いながら、ページをめくる。
時間だけが、ゆっくりと過ぎていった。




