嵐の前兆
「知らない天井だ……」
「あら目が覚めた?」
目を開けるとそこには黒髪美少女がいた。これが朝チュンか?朝チュンなのか!?と気を失う前の記憶を集めていると
「で、どうしてあなたとラウールさんが……」
え……俺、ラウールさんとしたの???? 確かに美青年だけど同性はちょっと……
「すまない。私から誘ったんだ」
あたし、誘われちゃったんだ……
「どうしてですか?」
「メイさんの弟子ときいて、どうしてもやりたかったんだ」
ヤバい!同じじいさんの弟子であるミセルの貞操がピンチだ!!それだけは護らねばならぬ、命に代えても!!!!
「ミセルの貞操は誰にも渡しません!!」
「あなたは何を言っているんですか……」
「急にどうしたんだいラスタくん……?」
「へ?今これなんの話?」
「あなたとラウールさんが実戦演習を行い、敷地をめちゃくちゃにした話です。」
「あぁ、そういえばそんなことあったな。忘れてたわ」
「おめでたい頭をしてますね……」
「そんなことよりラスタくん!あの魔力はなんなんだい!!? 止められる気がしなかったよ!!」
「確かに私もはじめて見ました」
「そんなこと言われても……じいさんも教えてくれませんでしたし」
「メイさんは止められたんですか?」
「はい。結構ギリギリでしたが……」
「あのメイさんを追い込んだ魔法か……研究のしがいがありそうだ!」
「もうやらせませんよ!あの時も私がいなければ学園ごと吹っ飛んでいてもおかしくなかったんですからね!!」
え、そんなに強いの!!!? じいさんはどうやって止めたんだよ……
「あれを止められるなんてやっぱりベルくんは強いな! もうエルファスに来なよ」
「いえ私なんか全然強くないです……それに私にはまだヒューマヌスでやらなければいけないことがありますので」
ベルの顔が曇った。
「そうか……残念だけど頑張って」
「では私はこれで」
「私もそろそろ行こうかな」
2人が出て行った。
「ラスタ大丈夫!!!?」
「ただの魔力枯渇だから大丈夫」
「坊ちゃん、魔力枯渇でも死ぬことはありますので無理だけはしないでください」
「お、おう……」
「ラスタ様、ご気分はどうですか!?」
「大丈夫だ……」
交代でミセルたちが入ってきた。
「ラスタ、あれを使ったの?」
「うん、まぁ止むに止まれぬ状況だったし、経験は積んだ方がいいだろ」
「もう使わないって約束して!! アレは負担が大きすぎるってメイさんも言ってたでしょ!!」
「うん。悪かった」
その後しばらく話してみんな出て行った。、
「やぁ、久しぶりだね」
頭頂部から足のつま先まで電流が流れたかのように悪寒を感じた。一瞬で視界が真っ白になった。あの無意識の世界にログインしてしまったようだ
「久しぶりだな、元気してたか?」
若干声が震えていたが、できるだけ平静を装った。
「あはは、僕には元気なんて概念が存在しないよー。君の方は随分とやんちゃしてたみたいだったけど?」
「俺は知らん。苦情はじいさんに言ってくれ」
「あははは、大賢者メイに弟子入りできるなんて光栄なことだよ!彼は大賢者の中でも5本の指に入るくらいの強さって言われてるからねー」
それでも一番じゃないのか……そりゃそうか
「で、今回はどんな煽りをしにきたんだ?」
「えー。僕は別に煽りにきてるわけじゃないよー?」
「前回散々俺を煽って逃げたくせによく言うな」
「あははは、あれは楽しかったなー。ごちそうさま!」
「お粗末様です。で、何しに来たん?」
「用がなければ会いにきたらダメなの?」
「用があっても来るな。帰れ」
「あははは、そんなに怒らないでよ。まぁ今までのは全部冗談で本題に入るよ。もうすぐこの学園に古代魔人が現れる。そいつは今の君たちじゃ絶対に敵わない。だから何があっても戦っちゃダメだ。逃げることだけ考えて」
先程までとはうってかわって真剣になる"存在"
「あ、あぁ……」
「じゃあ言いたいことも言えたし、僕はここでおさらばするね」
そう言うと俺は再び意識を取り戻した。
ほんの少しの不安と疑惑を胸に抱く。
「知ってる天井だ……」
1章完結です。
しばらく予定の予測ができないので不定期更新なります。




