白魔法
ーー数年前ーー
「坊主、お主の中の例外色を引き出す訓練をする。」
「え、えぇ……」
「まずはどんな色なのか、これに魔力を込めてみるんじゃ」
そう言うとじいさんは水晶玉を取り出した。
「え、でもこれ前にもやりましたが、その時は赤単色でしたよ? 成長して増えるもんじゃない気が……」
「いいからやってみぃ!」
「は、はぁ……」
俺は水晶玉に手をかざし、魔力を注いだ。やはり赤色にしかならなかった。
「ダメです。赤にしかならないですよ?」
「ふむ……持てる魔力を全部注いでいるのか?」
「いえ。枯渇が怖いので若干残してますが……」
「全部じゃ! 残らず全部注ぐんじゃ!!」
「……何も変わらないと思いますけど…………」
俺は全神経と魔力を両手に込めて水晶玉に送った。
しばらくして水晶玉の底辺りから白いモヤモヤが生じた。
「ビンゴじゃ! やはりお主の"潜在意識"の中にある魔力じゃったか!!」
「潜在意識?」
「魔力は本来、”意識"して身体中に伝搬されるんじゃ。お主の赤色の魔力はそれじゃ。じゃからさっきも優先されて水晶に色をともした。しかし"潜在意識"の中にある魔力は意識して動かすことができない。じゃから枯渇させたり、特殊な方法で引っ張り出したりしてはじめて使えるんじゃ。」
つまり奥深くにあるから引き出すのに苦労するってわけか。
「そう言えば以前水晶玉で魔力を測った時も少し残した気がする……」
「さて、その白いモヤモヤした魔力を自由に動かしてみぃ!!」
はじめての例外色を見て上機嫌なのか急かしてくるじいさん。
「はぁ……ッ!!!」
必死に集中させたり練ったりして操ろうとしたその瞬間、俺の意識は途絶えた。
次に目が覚めた時、珍しくじいさんが披露していた。
「とんだジャジャ馬じゃのう……お主、その魔法を使う時はわしクラスの相手のみにせい。取り返しのつかんことになりそうじゃ」
初めて見るじいさんの必死な姿に圧倒され、NOの選択肢はなかった。元々枯渇が怖いから使うつもりはないんだけどね。
「ラウールさん、次に出す魔法は僕の最強の魔法です。何があっても止めてください!!」
「ん? OK、全身全霊をかけて止めるから、気兼ねなく撃ってよ!!」
これは実戦演習で、幸運なことに相手はじいさんと同格のラウールさんだ。失敗しても大丈夫だし、ここで練習しておくに越したことはない。
ラウールさんも俺の魔法の阻止に力を溜めるためか、発動してた魔法を全て解除した。
「はぁ……ッ!!!」
まずは枯渇させるために全魔力を悪戯に放出する。じいさんの修行で身に付けた魔力総量は尋常じゃないので出し切るのは大変だった。
放出した膨大な量の魔力が大気を揺らし、これから起きるであろう大災害の兆しとなっている。
魔力を全て出し切り、もう例外色の魔法が使えると確信した。
俺は両手を前に差し出し、魔力を込めた。それを以前のように適当に弄る。
「ッ!!!?」
ラウールさんの顔が青ざめる。俺もなにか凄く嫌な気配を感じた。
ヤバイ……これは止められない………!!!
自分で魔法を中断しようとしてもできない。万事休すかと思われた瞬間、なにかフワリとしたものに包まれた気がした。そして全ての魔力は瞬時に消えた。
「あなたたちは一体何をしているんですか!!!」
薄れいく視界の中、黒髪の少女の叫び声が聞こえた。
前回の後書きで言ったこと、どこを見ているそれは残像だ。
はい、すみません。なんか納得がいかなくなり急遽ストーリーをまるまる変えることになったので、いろいろと未消化になりました。編集をしていると更新時間が遅れました。
明日の晩までには次の更新をすると思います。




