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実戦演習①

 入学後2週間が経ち、殆どのオリエンテーションが終了した。

 俺もミセルもエリーも同じクラスになり、同じ授業を受けることとなった。自己紹介が終わり気づいたのだが、不思議なことにそのクラスは9割近くがエルフで構成されていた。

 ラウールさんに聞いてみたら、エルフは魔法が得意だから他の種の中に、同じ進度だとついてこれない者が出てくる。だから魔法が得意な例外的な非エルフを除いてエルフだけの特進クラス、"エルファス"と、その他の"ヒューマニス"というのを作ったらしい。

 俺たちは魔法ができるからエルファスに入学出来たというわけだ。


 最初は人間というだけで警戒されていたが、じいさんの弟子と知ると急に親しく話しかけて来るようになった。



「今日の授業全くわかんなかったぜ!」


「お前それでもエルフかよ……」


「俺は感覚で掴む派だから細かいことは考えないんだよ!はははは」


「嘘つくな、寝てたからだろ!」


「睡眠魔法にかかってしまったんだよ!」


 まぁ、そんなこんなで俺にも友達は出来た。名前はガゼル。

 赤いショートヘアでエルフの割りにゴツゴツした体型、俺より一回り大きく、体育会系の奴だ。根は明るく、何事にもポジティブだが、頭が悪い。こいつを見てると何故か知らないが懐かしい気分になる。何か大事なものを忘れかけているようなフワフワした気分に。まぁ、いいか。


「次は実戦演習なんだからちゃんとしろよ。」


「わかってる。実戦演習は大好物だぜ!はははは」


 絶対こいつ分かってないわ



「それでは実戦演習の説明をしたいと思います。怪我人が出る危険な授業なのでちゃんと聞くように!」


 担任の男先生が入ってきてそう告げた。新人教師というくらいの若さなのでちょっと心配だが、玄人の先生が何人か引率するらしいので安全だろう。


「この授業では実際に教師と戦って、実戦における魔法の使い方を身につけていきます。これといった制限はありませんが、魔法はちゃんと制御できるものを使うように。危険だと判断した場合、教師が止めます。では適当に教師を捕まえて演習を始めてください!」


 開始の合図があった途端、ガゼルは走って教師を捕まえに行った。数秒で負けてた。


「俺はどうしようかな……」


 ぶっちゃけ言うと実戦演習にはあまり興味がなかった。前世でも体育の授業で身体を動かすよりペンを走らせる方がしょうに合ってた。

 適当な教師を見つけてさっさと終わらせようかな。


 とは思ったものの、意識高い系生徒が玄人教師を独占して順番が回ってくるのはだいぶ先になりそうだ。


「ラスタくん。よかったら私と勝負しませんか!」


 背後から透き通るようなイケボで勝負を挑まれた。若い声だったので恐らく余った新人教師だろう。まぁ、なんにしても向こうから声をかけてくれたんだし、断る理由もない。返事はもちろん


「えぇ! 是非よろしくお願いしま………すッ!!!?」


 振り返りざまにその美青年を見て驚愕した。

 整えられた綺麗な髪、綺麗な肌、見た目の若さとは裏腹に全知全能に見える神聖さ。うん、見覚えあるよ!!


「なんでラウールさんがここに!!?」


「そりゃあ、メイさんの弟子の実力を見たくてね!!」


「そ、そんな見世物になるほど強くないですよ?」


「またまたご謙遜を〜。ではあちらの闘技場まで行きましょうか!」


 全く話を聞くつもりがない。俺は半ば強引に闘技場まで連れて行かれた。




「ここが闘技場……ですか?」


 闘技場、といってもコロシアムみたいなものは何もない。すごく広い荒野にたくさんのクレーターが出来ていて、人が闘うのに適しているとはお世辞にも言えなかった。


「ここは私とメイさんがよく訓練した場所でね。ここなら全力で魔法を使っても大きな被害は出ないんだよ!」


 あぁ! だから穴だらけなのか! 納得行きました!

 でもですね、一つだけ引っかかるのがあったんですが


「本気で闘うわけじゃないですよね……?」


「まさか! 万が一の時のための保険に決まってるじゃないか!」


 ほぉ、なら安心だ。確かにグラウンドで闘えば周りの生徒にも被害は出る。この広さなら何も気にせずそこそこの威力の技が出せるし、適してるってわけか。



「じゃあ始めようか! まずは軽めに行くね! ≪災厄(テンペスト)≫」


 途端、快晴だった空は雷雲に覆われ、超巨大な竜巻が無数に発生した。目を開けることすらできない程の豪雨、地震すら起こす程の激しい雷、そして身動きすらままならない爆風。風属性王級魔法、≪災厄≫だ。


「何が軽くだよ!! ≪次元(ディメンション)≫」


 俺は自分を別次元へ飛ばしてこの嵐を神回避した。確かに≪災厄≫は凄まじい魔法だ。だが当たらなければどうということはない!! 引きニート予備軍を舐めるなよ!


「甘いよ!! ≪誘引(ゆういん)≫」


 俺は元の場所に強引に引き寄せられた。引きニート卒業である。


「くっ!! ≪魔龍百獄(まりゅうひゃくごく)≫」


 指に魔力を集中させ弾いた。≪魔龍双頭≫の派生、≪魔龍百獄≫、俺がじいさんから教わった唯一の王級攻撃魔法である。膨大な魔力の塊が頭上に現れ何百もの数の魔龍の形を形成し


「≪レジスト≫」


 霧散した。


「その魔法を使えるとはね、さすがメイさんの弟子だ!! でも私がなんの対策もできないと思った?」


 ダメだ……勝てない…………

 じいさんに教わった魔法は全て対策されてるだろう。


「もう終わりかい? ≪流星群≫」


 突如、雷雲を貫いて巨大な隕石が数個降り注いできた。

 大地を連想させる橙色の土属性王級攻撃魔法、≪流星群≫。


「なんで複数色の魔法を魔力代替でできるんだよ! まさか多色持ち!!!?」


「そうだよ。私は橙、緑の2色持ちで両方無詠唱で王級まで発現できるよ!」


「そんなのチートや!! 反則や!!」


「さぁて、この状況どうするかな?」


 ただでさえ激しい大嵐で身動きが取れないというのに追い打ちで隕石か……これ確実に殺しに来てるよね????


 しかし万策が尽きたわけじゃない。じいさんにあまり使うなと言われたが、こうなったら仕方が無い。

 "ラスタ"の力を見せてやろう。

次回で伏線(自分ではそう思ってる)を回収して行きます。


多分昼過ぎに更新できると思います。

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