入学試験対策勉強会①
「さてと……何人いる?」
「お姫様が泊まったホテルには50前後」
「一応白狼を護衛につけておいたが、50は厳しそうだな……」
「ここにも30くらいいるよ」
「それは≪転移≫で跳べば問題ない」
「うぅ〜……移動してる間に荷物とかあさられるの嫌だよぉ……」
「それくらい我慢しろ。女子かよ!」
「女子だよ!!!」
俺たちが何の話をしてるのかというと、入学試験の対策についてだ!!
決して俺たちや王族の宿の周りに盗賊がいるなーとかいう話ではない!!
「今のところ、白狼を警戒して突入はしてないみたいだけど、それも時間の問題だよ?」
「一応、向こうのホテルにマーキングしてるし、いつでも跳べるから大丈夫」
「なんで突入される前に対処しないの?」
「正当防衛が適応されなくなるからだな!」
「そんなことしなくても、盗賊ってだけで充分悪だよ」
「すまん、俺にも信条はあるんだ」
俺だって、人殺しに抵抗がないわけではない。殺さないで済むならそれに越したことはない。
でもこの世界では人はあっさり殺せる。取り締まる法も緩い。
そんな世界で人殺しを躊躇っていれば、自分や周りの人に危険が迫る。だから俺は、正当防衛という自制を設けて人殺しをすることに決めた。
「まぁ、どっちにしてもホテル内で闘うのは厳しいよ。私もラスタも基本は大規模戦闘向きの魔法しかないんだから」
「王族を別の場所に跳ばしてからホテルごとぶっ潰す」
「弁償できないよ!」
「そんなもん王族に払わせればいいだろ。それにホテルの警備に問題があるんだし、俺たちは悪くない」
「うぅ……ラスタらしいね」
「無茶苦茶なのはわかってるし、他に案があるなら聞くけど?」
「んー……特にないかな。でも無関係の人を巻き込まない?」
「ミセルが結界を張って守る」
「そんな器用なことできないよ!!」
「しっ!声がでかい。俺たちも見張られてるってことを忘れるなよ」
「ごめんなさい……でもラスタが冗談言うのが悪いんだからね!」
「まぁ、俺が気合いで全員を安全な場所に転移させるから安心しろ」
「そんなのいくらラスタでも無理だよ!」
「できるできないとかじゃない。やらなきゃいけないんだ」
「で、でも……」
「ミセル、俺を信じてくれ」
「う、うん……でも無茶しないでね」
「坊ちゃん、普通に盗賊だけを転移させるのはダメなのでしょうか?」
「あぁ、その手があったか!さすがだなタマキ、やっぱりお前は天才だ!」
「お褒めに預かり、光栄でございます」
いやぁ、優秀な召使いを持って、オラは幸せだべ………ん????
「ってなんでお前がここにいるんだよ!!!!」
「しっ!お声が大きいです。私たちも見張られていると言うことをお忘れなく」
「お、おう……」
デジャヴだ…
「まぁ、その見張りは私が全員倒したんですけどね!!!」
まさに外道だわこの召使い!!!
「ラスタ、この綺麗な人だれ?」
「今の流れで分かったと思うが、この人の中身は全然綺麗じゃないぞ。ほらあの時のあの人だ」
「どの時のどの人!!!?」
「魔人襲撃の際、お前がビビって漏らした相手だ」
「え……あの時の怖い人? ってか漏らしてない!!気絶しただけ!!!」
トラウマにはなってないみたいだな、よかった。
「あの時はすみませんでした……」
「い、いえ……私も取り乱してましたし……」
「で、なんでお前がここにいるの?」
「ご夫妻様から坊ちゃんの護衛に当たるようにと御指名されましたので。1ヶ月前からここで待機していました」
「チェンジで」
「ま、まぁラスタ。今は仲間内で争ってる場合じゃないよ。この人も増えたんだし、作戦組み直そうよ」
「そうだな。タマキ、お前あと30人くらいはいけるか?」
「あの程度ならあと100はいけます」
「お前強過ぎだろ……」
「なら盗賊が突入次第タマキをホテル玄関に、ミセルを王族の部屋に跳ばす。タマキは盗賊の駆除を、ミセルは王族の保護をよろしくたのむ。俺は盗賊の背後に跳んで逃げたやつらを駆逐する」
「「わかりました」」
「くれぐれも無茶だけはしないように。じゃあミッションスタート!!!」
盗賊の突入と同時に、"真夜中の勉強会(仮)"が始まった。
更新が遅くなりすみません……
次は晩に投稿します。




