護衛①
「あのクソジジイ!!なぁにが「ラウール学園までは自力でいってね!!」 じゃ!!!次会ったら殺す!!!」
「ま、まぁまぁ。おじいちゃんにはお世話になったんだし……」
「俺は拉致られただけだがな!」
「強くしてくれた人にそういうの、よくないと思うよ……?」
「それを言われると弱い……」
「それに、道案内役にちょうどラウール学園に行く商人を紹介してくれたし、なんだかんだで気にかけてくれてると思うよ!」
「ぐぬぬ……」
俺たちは今、商人に案内してもらい、ラウール学園へと向かっている。商人の荷馬車に乗せてもらい、快適な旅を送っている。
「なんか、道案内に加え、荷馬車に乗せてもらってありがとうございます」
「いえいえお安い御用ですよ! それに護衛という条件付きなので、いざという時に疲れていてもらっては困りますからね!」
「俺たちまだ子供なのに護衛なんて任せてよかったんですか?」
「メイ大賢者様のご紹介ですので! むしろなぜ道案内だけですむのか不思議ですよ!」
あのじいさんは表向きは超すごい人だもんな……実際凄いけど。
でもだからといってその弟子が凄いってわけじゃないんだよなぁ、それが!!
「それじゃ俺たちは遠慮なく休んでいるので何かあったら声をかけてください。」
「わかりました!」
「多数の人の気配を感じます。恐らく盗賊でしょう。」
ミセルが気配を察知したようだ。見通しの悪い山道にさしかかってからずっと探知魔法を展開している。疲れないのだろうか?
「ぶつかりそうか?」
「いえ、現在別の商人の隊を襲撃中です。」
「少し様子を見てくる。ミセルはここで留守番。商人の方々はできるだけ固まって、ミセルのそばを離れないように!」
「わ、わかりました……!」
「ラスタ、無茶だけはしないでね!」
「わかってる。やばいと思ったらすぐ引くよ」
現場に到着した。煌びやかな荷馬車があったが、すでに盗賊の蹂躙が始まっており、護衛の死体が転がっていた。
「おいおい……あれって王宮の馬車じゃないのか……?王宮騎士を倒すってどんだけ強い盗賊だよ………」
王族と思しき人々はみな、縄で縛られ連行されているところだった。恐らく、王族を拉致するという類の盗賊だろう。だとしたら手練れの盗賊に違いない。
しかし、幸いにもまだこちらの存在は気づかれていない。
奇襲を仕掛けるなら今しかない!
「≪召喚 "白狼"≫」
俺は地面に右手をつき念じた。これが、≪召喚≫の言動代替だ。
地面には規則正しい幾何学模様が映し出され、その中央から一頭の白い大狼が現れた。何ものにも染まらない純粋な白、2mはありそうな大きな体躯。鋭い牙。狼の王というにふさわしい高潔な狼だ。
向こうには人質がいるし、俺が出て行けば必ず脅しを食らう。ならば一見すると理性の働かない、獰猛な白い狼に出てもらい、怯え逃げさってもらうのが得策だろう。
「くっ、なぜこのタイミングで魔獣に遭遇するんだよ!!!」
「団長、どうしやす?」
「ここは一旦引く!ただでさえ王宮騎士との闘いで消耗してるのに、コイツとの連戦なんて馬鹿らしすぎる!」
「では王族の奴らは?」
「姫だけ攫ってヅラかるぞ!」
まぁ、そうなるよな……だがあいつがリーダー格で、あいつがいなければうまく統率が取れないのもわかった。
俺は右手で銃の構えをした。今回は魔力代替で行こう。イメージを練り込みやすいからだ。
念じるのはライフル。人差し指の先に魔力を集中する。魔力の塊を弾丸の形に変形。それを螺旋回転で放つ。
空気抵抗は最小に、どこから撃ったのかを悟られないように速く。それを放つ。
「≪魔弾≫」
リーダー格と思しき人物に直撃。一撃で仕留めた。
「な、な、な、な、なんでやんすか!!!?」
案の定、盗賊団は連携が取れなくなり、人質が解放される。
(今だ白狼)
清き狼は残った盗賊を皆食い殺した。
人質たちはその始終を呆然と、しかし恐怖にまとわりつかれながら、ただただ見るしかなかった……
すみません。少し用事が長引き遅くなりました…
次は深夜に投稿します。
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