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数分前


「あそこらしいのぅ」


巨大な火柱が天空を貫いていた。あそこで魔人が暴れているというのはすぐにわかる。


「坊主、飛ぶぞ」


じいさんが地面に手を当てた。地面に幾何学模様の魔法陣が描き出された、かと思うと俺とじいさんは一瞬にして見知らぬ場所に移動してた。


「て、転移魔法!!? こ、こんな大魔法を魔力代替で……!!!!?」


俺にだってそれがどれくらい馬鹿げているかわかる。転移魔法を使える人は見たことがある。しかし、一回の使用で、それも詠唱して行っていたにも関わらず、魔力枯渇ギリギリのところまで減っていた。魔力代替で、しかも2人分の転移ともなると……考えるのはやめた方がいいな。


「魔力代替か……似て非なるものじゃな。まぁ、今はそんな話をしてる場合ではない。目の前の敵を倒すことに集中すべきじゃ」


「は、はい……」


このじいさんが相当強いということはわかった。





2度目の火柱が静まった。


「ねぇ、なんですぐに助けに行かないの?」


「わしにも色々あるからのぉ。極力動かない方がいいんじゃ。それに助けるにしても演出は大事じゃろ?」


ダメだこいつ、早くなんとかしないと……


「そろそろ限界か……まぁ、よく持ち堪えたもんじゃ」


じいさんの足下に再び魔法陣が現れた、と思うとじいさんは消えた。




「「……ッ!!!!?」」


ふむ、驚いておるのぉ。ギリギリまで粘った甲斐があるってもんじゃ!


「お2人とも下がってくれや。ちと邪魔じゃ」


2人は一瞬何事かと思ったが、すぐに理解したのか一目散に逃げ出した。


「さぁて、羊くんや。君もジンギスカンになりたくなかったら今すぐ失せろや」


「グルゥゥゥゥゥゥゥウ!!!!」


「ジンギスカン志望の方じゃの?仕方ないのぉ。≪魔龍百獄(まりゅうひゃくごく)≫」


じいさんが指パッチンをした。ただそれだけでじいさんの周りに魔力でできた龍が何百頭も現れた。

一頭一頭が羊頭の悪魔を無惨に喰らい尽くす。顔が潰れ、手足はもげ、胴体は抉れ、もはや原型をとどめていない。


「思ったよりも弱いのぉ。お主は"アレ"かの?」



しばらくすると、魔龍の餌食になった肉の塊の断片から肉の山が盛り上がり始めた。


「ビンゴじゃ!! ≪火炎(ファイア)≫」


炎の基礎魔法、火炎。ただそれだけだった。なのに辺り一面、灼熱の大地と化した。




「すまんすまん!ちとやりすぎた!!!」


「………」


呆然と立ち尽くす両親。そりゃそうだろ、俺もめちゃくちゃビビってるし。


「おーい坊主ゥ!!!もう降りてきて大丈夫じゃぞ!!!」


おぉ、そうか、もう安全か! よぉし、降りるぞ〜!まずはこの岩の出っ張りに右足をかけて、次に左足を………ってなんでやねん!!!なんか見晴らしいいなとは思ったけどすげぇ断崖絶壁じゃねぇかここ!!8歳にどうやって降りろって言うねん!!


「おぉ、降りられないのか……全く最近の若者は…………やれやれ」


最近どころか原始時代の若者でも無理だよこれは!!!


じいさんが地面に手をつく。俺の足下に幾何学模様が現れ、転移した。


「「ら、ラスタ!!!生きてたのね!!!!!」」


「ふぇぇ、怖かったよぉ。。。」


主にこのじいさんが。


「ふむ、親子の感動の再会じゃ。こう、こみ上げるものがあるのぉ……」


お前さえいなけりゃ俺も相当感動してたよ!!!


「あ、あのう……息子を、俺たちを、街を助けていただき本当にありがとうございました!! ところであの洗練された無詠唱魔法、メイ・リアンテ大賢者様とお見受けしましたが、よろしかったでしょうか?」


「うむ、確かにメイはわしじゃが……そんなことよりこの坊主に興味がわいた。お主らこいつの親じゃろ?借りてくぞ!」


決定事項じゃ!! とでもいいたげな顔をしてる。俺は断固反対じゃ!!!


「は、はい!!大賢者様にお任せします!!!」


「任せておれ!!!」


あれれ、おっかしいなー?本人の意思に反して話が勝手に進んでるぞ〜?


「ぼ、僕はやだ!パパたちと離れたくない!!!」


「「ラスタ………」」


「可愛い女の子がいっぱいいるぞ?」


「父上、母上、今まで大変お世話になりました。御二方の間に産まれたことを誇りに、強く生きていきます!!ありがとうございました!!末永くお元気でッ!!」


誘拐にあいそうな性格をしてるな、俺…………

主人公の見せ場がなく、キャラがぐちゃぐちゃな前章でした……


次は晩に投稿です!

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