第9章 - 狂戦士、再び覚醒す
「ラース、そろそろ本気で怒るわよ!」
エミリアの声が鞭のように中庭を切った。
ラースはその手が指を打つ前にすでにびくついていた。
ぱしっ。
「いたっ!」
手を引っ込め、痛みを振り払えるかのように振った。指先がひりひりしていた。目の前には小さな木のテーブル。その上に水の入った器、滑らかな小石が三つ、乾いた葉が一枚、そして三十分前から火がつくのを待っている芯のついた細い蝋燭。
どれも動いていなかった。
水も。石も。葉も。蝋燭は煙すら立てていなかった。
ラースは赤くなった指を見つめ、それからエミリアを見上げた。
「おばあちゃん、それ必要?」
エミリアが目の前に立っていた。腰に手を当て、灰色の髪をきっちりとまとめて。目が細かった。とても細かった。納得のいく答えを聞いたばかりの人の目としては細すぎた。
「ええ」と彼女は鋭く言った。「必要よ」
ラースが顔をしかめた。
「十二歳にもなって、まだひとつも魔法が使えないなんて!」
エミリアが蝋燭を指した。
「火花ひとつ出せない」
次に器を。
「水を引くこともできない」
次に石を。
「たかが小石ひとつ持ち上げられないで、鉄の壁を押してるみたいな顔してるだけじゃない」
ラースが目を伏せた。
やってるのに。
口には出さなかった。
言っても無駄だった。
エミリアがさらに近づいた。
「第一位の大魔導師である私の面目が丸つぶれじゃない!」
中庭の端のほうから、荒い笑い声が聞こえた。
少し離れた場所で剣の稽古をしていたレアが、動きの途中で止まった。刃が斜めに構えられ、先端が草のすぐ上。木の下の影の定位置で椅子に座るアレクサンドリアのほうを見た。
アレクサンドリアが笑い続けていた。
空の袖が静かに体の脇に垂れていた。盲目の目がエミリアとラースの方角に向いていたが、にやりとした笑みはあまりにも広く、まるで目の前にはっきり見えているかのようだった。
「やっとお出ましね」とアレクサンドリアが笑いながら叫んだ。「私の母。大魔導師さま!」
エミリアがゆっくりとそちらに首を向けた。
「アレクサンドリア」
「何?」
「黙りなさい」
「絶対に」
エミリアの目が細くなった。
彼女の前の空気が変わった。
レアが最初に感じた。肌の上の圧力として。強くはないが、突然だった。大地そのものが一瞬息を吸い込んだかのように。エミリアの足元の地面が振動した。乾いた土の塊が一つ剥がれ、空中で凝縮し、螺旋状に回り始めた。
ラースが瞬きした。
そのときにはもう塊は飛んでいた。
螺旋状の土塊がアレクサンドリアに向かって飛んだ。あまりの速さにレアにはほとんど見えなかった。茶色い線と、空気を切る音と、抉られた土の突然の匂いだけ。
アレクサンドリアはほとんど動かなかった。
首をわずかに傾けただけだった。
土塊が頬をかすめ、赤い髪の一筋を掠め、背後の木の幹に深く突き刺さった。木が割れた。幹が軋んだ。何枚かの葉がゆっくりと舞い落ちた。穏やかに。まるで無関係であるかのように。
ラースが木に半分めり込んだ土塊を凝視した。
レアが唾を飲んだ。
アレクサンドリアがにやりと笑った。
「歳取ったわね」
エミリアの口が引き締まった。
「あら、そう思う?」
足元の地面が再び振動した。
「確かめてみる?」
アレクサンドリアが少し身を起こした。にやりとした笑みがより危険になった。
「いつでも」
「やめて」とレアがすぐに言った。
ラースが慌ただしくうなずいた。
「お願いだからやめて」
エミリアが二人の子供を見た。アレクサンドリアは静かに笑い、もたれ直した。朝の致死的な土弾攻撃は、家族間のちょっとした挨拶にすぎないとでもいうように。
レアが剣を下ろした。
「第一位の大魔導師って何?」
エミリアが振り向いた。
その瞬間、表情がまったく変わった。厳しさは残っていたが、口が広い、誇らしげなにやりとした笑みになった。腰に手を当て、顎を上げた。
「つまり、私が並外れた魔導師だということよ」
アレクサンドリアが鼻を鳴らした。
「並外れたうぬぼれ屋ね」
「あんたは黙ってて」
「嫌よ」
エミリアは彼女を無視し、レアに向き直った。
「魔導師はたくさんいるわ。弱い者、凡庸な者、強い者。中には王国や学院や騎士団から認められる位を得る者もいる。第一位というのは、多くの魔法の種類を習得しているだけでなく、重圧の下で、戦闘中に、失敗なく使いこなせるという意味よ」
ラースがおそるおそる手を上げた。
「本当に第一位なの?」
エミリアが彼を見た。
「もう一発土塊を見たい?」
「いいえ」
アレクサンドリアがまた笑った。
「あんたたちのおばあちゃんは魔法の天才で化け物だったのよ」と彼女は言った。「四歳で火魔法。八歳で土魔法と水魔法。二十歳ですべての魔法の種類を習得して、大魔導師になった」
エミリアが誇らしげに顎を上げた。
アレクサンドリアが続けた。
「私が生まれたとき、母さんは自分の才能を私に叩き込もうとした」
レアがエミリアを見た。
ラースも。
アレクサンドリアが片腕を軽く広げた。
「どれだけ効果があったか、見てのとおりよ」
エミリアが目を細めた。
「生意気なこと言わないの、恩知らず」
アレクサンドリアがぴくりと身を起こした。
「恩知らず? 母さんは私を拷問したでしょ!」
「教育したの」
「マナの練習で星が見えるまで苦しめたでしょ!」
「星なんか見えてなかったでしょ。大げさなだけよ」
「六歳だったのよ!」
「ちょうどいいわ。じっと座っていられる歳よ」
ラースがレアを見た。
レアが見返した。
どちらも何も言わなかった。
なるほど、いろいろ納得がいく。
レアはその感想がアレクサンドリアについてなのか、エミリアについてなのか、両方についてなのか分からなかった。
エミリアが腕を組んだ。
「そしてあんたは十八の誕生日にきっちり最初の男に孕まされたわね」
アレクサンドリアが椅子が床を擦るほど勢いよく立ち上がった。
「それは全然関係ないでしょ!」
「もちろん関係あるわよ」
エミリアが目を回した。
「十六でルミナーラを倒したからって、何の違いもないわね」
一瞬、中庭がより静かになった。
ルミナーラの名が、細い糸に吊るされた古い剣のように二人の間に垂れ下がった。光の魔王。アナスタシアの娘。すべてを変えた勝利。アレクサンドリアが伝説になった理由。アナスタシアが来た理由。
アレクサンドリアの顔が硬くなった。
「もう一回言ってみなさい」
エミリアが片眉を上げた。
「何を? 馬鹿だったこと? 早すぎる妊娠のこと? それともルミナーラに勝っても、愚かな決断から守られなかったってこと?」
アレクサンドリアが口を開けた。
そして止まった。
レアは母の中で何かが変わるのを見た。
顔ではない。直接には。
むしろ、姿勢の中で。
アレクサンドリアの首がわずかに横を向いた。口が閉じた。片手の指が緊張した。空の袖が風にかすかに揺れた。一呼吸の間、彼女はもうエミリアに怒っていなかった。
耳を澄ませていた。
耳だけではない。
すべてで。
レアに鳥肌が立った。
「母さん?」と彼女は静かに訊いた。
アレクサンドリアは答えなかった。
右に踏み出した。
足が、椅子の横の草に置かれていた両手剣の柄に当たった。武器が宙に跳ね上がった。重く、大きい。だがアレクサンドリアはすでに動いていた。首を傾け、口を開き、柄に噛みついた。
ラースが彼女を凝視した。
レアが剣を構えた。
アレクサンドリアが走り出した。
両手剣が口にくわえられていた。柄が歯の間に、刃が横に突き出して。不可能に見えた。間違っていた。片腕しかない身体には重すぎた。盲目の人間には制御不能なはずだった。
だがアレクサンドリアは、世界が彼女にそれ以外のことを求めたことなどないかのように動いた。
靴が地面を抉った。草がめくれた。土埃が舞った。上体を沈め、前方に跳び、首を回して、刃が深い軌道から上方へ切り上げられるようにした。
「天竜剣流」と柄をくわえたまま彼女はつぶやいた。
言葉はくぐもっていたが、十分に明瞭だった。
銀色の光が刃に集まった。
アレクサンドリアが身を屈め、剣を下から上へ走らせた。腕ではない。首、背中、脚、腰、そして全身の不気味なほど正確な反動で。刃が空気を切り、風と光の上昇する軌跡を引き裂いた。
足元の地面が裂けた。
アレクサンドリアが浮き上がった。
一瞬、本当に飛んでいるように見えた。高くはないが、速く。身体が空中で回転し、口にくわえた剣が中庭に明るい線を描いた。
そして動きが転じた。
「水竜剣流」と彼女は唸った。
青い光が刃を覆った。
アレクサンドリアが落下した。
全体重を乗せて剣を下に叩きつけた。着弾の衝撃で地面がめり込んだ。土が円形に裂けた。衝撃波が中庭を走り、土埃と草と小石を吹き飛ばした。レアが一歩退いた。ラースがテーブルにぶつかり、水の器が倒れた。
エミリアが即座に反応した。
片手でレアを、もう片方でラースを掴み、二人を後ろに引いた。
「私の後ろに」
声はもう苛立ってはいなかった。
冷たかった。
臨戦態勢。
二人の前に土壁が地面から突き出た。鈍い轟音とともに高く伸び、層を重ねて凝縮し、子供たちと裂けた中庭の間に立つ巨大な盾になった。上端の小さな隙間から、レアとラースはかろうじて向こう側が見えた。
アレクサンドリアが土と草のクレーターの中に立っていた。
両手剣が目の前の地面に突き刺さっていた。歯で柄を土から引き抜き、首を回し、吐き出すように横の地面に突き立てた。刃がまっすぐに刺さり、振動し、刃先から土を振り落とした。
「また外したか?」と彼女は吐き捨てた。
最初は誰も答えなかった。
そしてレアが目を上げた。
アレクサンドリアの下、裂けた地面の影に、小さな姿が立っていた。
子供ほどの大きさしかなかった。
もしかするとラースより小さいかもしれなかった。
だがそこから発せられるものは、その大きさに似つかわしくなかった。普通の炎の匂いとは違う熱。木や炭の匂いではない。灼けた石と、焦げた空気と、舌の上に残る苦い何かの匂い。その姿はアレクサンドリアを見上げていた。静かに。ほとんど面白がるように。
レアにははっきりとした顔立ちは見えなかった。
輪郭だけ。小さい。暗い。異質。
「私の気配は感じるが」とその声が突然言った。「身体は感じないようだな」
声は若くもあり老いてもいた。
かすかに笑いを含んで。
ラースが息を止めた。
「何が起きてるの?」と彼は混乱してささやいた。
レアが首を振った。
分からなかった。
あるいは、知りたくなかった。
エミリアが唇に指を当てた。
「しっ」
目の前の土壁がさらに厚くなった。茶色い魔力の線が走り、一層一層を安定させていった。エミリアは無表情のまま前方を睨んでいた。身体が子供たちと姿の間に立っていた。大地そのものが彼女をそこに固定したかのように揺るぎなく。
小さな姿が首をかしげた。
「母の攻撃を生き延びたのか」
声が静かに笑った。
アレクサンドリアの顔が暗くなった。
両手剣の横に歩み寄り、歯で柄を掴み、引き抜き、すぐにまた地面に突き刺した。刃が垂直に刺さり、振動し、切っ先から土を振り払った。
「生き延びた?」
アレクサンドリアの声が荒かった。
一歩前に出た。
「この姿を見ろ、このクソガキが!」
蹴りを放った。
脚が前方に突き出た。ラースには追えないほど速かった。その蹴りは大人の男の肋骨を砕いたはずだった。それ以上かもしれなかった。
小さな姿は腕を上げただけだった。
受け止めた。
衝撃音が中庭に鳴り響いた。
アレクサンドリアの蹴りがぴたりと止まった。小さな姿の足元の地面に亀裂が走ったが、姿自体は半歩退いただけだった。
「ふむ」と声が言った。
興味を引かれた調子だった。
「そこまで傷ついていながら、なかなかの力だ」
アレクサンドリアが脚を引いた。
顔が緊張していた。痛みからではない。怒りから。だがレアは、軸足のほとんど見えない震えに気づいた。天竜と水竜の攻撃が力を消耗させていた。おそらく使いすぎた。アレクサンドリアは危険だったが、身体はもう昔のものではなかった。
エミリアが土壁の前に半歩出た。
声が硬くなった。
「何の用だ、フレアグニス」
レアが固まった。
隣のラースも。
その名前が記憶に灼けた石のように落ちた。
フレアグニス。
火の魔王。
レアの運命の糸に現れた名前。七年後に来るはずだった攻撃。あのとき二人は八歳だった。今は十二歳。練習して、学んで、血を流して、争って。だが準備はできていなかった。
まだ全然。
レアがラースを見た。
彼はすでにこちらを見ていた。
顔が蒼白だった。
「今、フレアグニスって言った?」と彼がささやいた。
レアは指が剣の柄をより固く握りしめるのを感じた。
熱い運命の糸が内なる目の前でちらついた。
早すぎる。
あまりにも早すぎる。
「でもこれ、三年も早くない?」とレアがささやいた。




