第12章 - シーデ、破壊の女神
「本当に知りたいの?」
ティンケは球体の上に半ば覆いかぶさるように寝そべっていた。まるでそのきらめく球の中に頭から落ちるつもりであるかのように。片手が顎を支え、もう片方の指先が滑らかな表面を軽く叩いていた。球体の中には世界が動き、糸が走り、光点と影が揺れていた。まるで運命のすべてが池の中の小魚にすぎないかのように。
瞬きした。
それから口をゆがめた。
「獣人についてのこと?」
視線がゆっくりと球体から上がった。背後の星々が静かに燃えていた。銀河が遥か遠方で回り、星雲が黒の中を絵の具のように流れ、どこかで彗星が通り過ぎた。その尾が宇宙を切る明るい傷跡のように。
ティンケが微笑んだ。
「もっとずっと面白い話があるんだけど」
身を起こし、腕を組み、虚空を見つめた。まるでそこに、彼女が今ちょうど語りたくないことにまた興味を持ちすぎている観客がいるかのように。黒と白の翼がかすかにざわめいた。何枚かの羽が重なり合った。片面は夜のように暗く、もう片面は月光のように明るく。
「ああ、人間とその好奇心」
大げさにため息をついた。
「たまに本当にうっとうしい」
そしてにやりと笑った。
「自分たちが宇宙の創造物だと思ってるでしょ。中心。すべてが行き着く偉大で輝かしい思考」
身を乗り出した。
光輪が球体に映り、その中の世界にゆがめられていた。
「でも向こうには、あなたたちの地平をはるかに超えるものがある。それに比べたら子供ですらない」
指を一本立てた。
「蟻よ」
指が下がった。
「とてもうるさくて、自信過剰な蟻」
背後で小さな隕石の群れが紫の星雲の中を横切った。一瞬輝き、消え、宇宙に飲み込まれたかのように消滅した。ティンケがしばしそれを見つめ、それからくるりと向きを変えた。
黒と白の玉座が星の虚空に浮かんでいた。重く優雅に。何の上にも立っていないのに。高い背もたれが凝縮された運命の一片のように背後にそびえていた。ティンケはまるで神聖な象徴ではなく、自由によじ登っていい家具のように、その上に登った。
玉座の上で身体を回し、膝立ちになり、両手で背もたれにしがみついた。ドレスがさらさらと鳴った。翼の羽が玉座の端をかすめた。そして首を伸ばし、宇宙のある方角を見つめた。
「シーデ?」
返事はなかった。
ティンケが眉をひそめた。
「シーデ?」
再び何もない。
深く息を吸った。
そしてより大きな声で呼んだ。「シーーーーーデーーーー?」
宇宙が応えた。
光ではなく。
穏やかな神聖なしるしでもなく。
戦槌のように星の虚空を貫く声で。
「何の用だ、白黒の出来損ない女神が!」
ティンケの翼がびくりとした。
近くの運命の糸が何本か震えた。まるでどこか別の場所にいたほうがいいと決めたかのように。星々自身がほんの一瞬暗くなったように見えた。
声は有限の知性では理解できない距離から来ていた。それなのに十分近くて、ティンケが鼻にしわを寄せた。
「あんたと違って私は仕事中なの!」とシーデが轟いた。「今ちょうど混沌の惑星を二つ相手にしてるんだけど! この出来損ないのガキが!」
圧倒的な気配が宇宙を薙いだ。
風としてではなかった。宇宙に風はないから。圧力として。意志として。星も星雲も糸も貫いて転がる、生の、絶対的な力として。すべてに思い出させた。破壊は脅しである必要がないことを。時にそれはただの女神なのだということを。
ティンケが背もたれにしがみついた。
何も触れていないのに髪がなびいた。黒と白の羽がわずかに逆立った。玉座の周囲で何本かの運命の糸が曲がった。まるでシーデの気配が来る方角を見たくないかのように。
遠方、有限の距離の概念を遥かに超えた彼方で、赤い光がちらついた。
次にもうひとつ。
二つの巨大な影がそこで動いていた。惑星だが、普通の世界ではなかった。表面が砕け、大陸が開いた傷口のように見え、その中から混沌が噴き出していた。色であるべきでない色。石でできているのに身をよじる形。山脈がまるごと折り畳まれ、再び開いた。まるで現実がそこでは通用しないかのように。
その間でシーデが燃えていた。
最初は赤い点にすぎなかった。
やがて姿として。
混沌の惑星より小さかった。それでいてより大きく見えた。
手の中に剣が燃えていた。ただの炎ではなかった。刃の形をした破壊。赤と白と黒が同時に。動かすたびに混沌に軌跡を切り裂いた。肉を切るようにではなく。嘘を貫く裁きのように。
ティンケがため息をついた。
「いつもそんなに意地悪なんだから」と彼女はつぶやいた。「末っ子だからって......」
下唇を突き出し、すねてみせた。
そして肩越しに首を回した。まるで見えない聴衆に再び語りかけるかのように。
「分かった? 女神であることがどれほど大変か」
片手でシーデのほうを指した。
「姉にこんな扱いを受けるのよ。不公平でしょ」
誰も反応しなかった。
宇宙は静かなままだった。
星がひとつちらついたが、それは数に入らなかった。
ティンケがもう少し待った。
そして目を回した。
「最悪の観客ね」
再び前を向き、玉座の背もたれ越しに身を乗り出した。
遠方でシーデが斬りかかった。
燃える剣が、月を飲み込もうとしていた混沌の巨大な奔流を切り裂いた。混沌がのたうち、ゆがみ、音のない悲鳴を上げた。シーデの気配がそれを押し広げた。惑星の一つから砕けた物質の環がまるごと離れ、虚空に漂い出した。
「ところで!」とティンケが叫んだ。
返事はなかった。
「シーデ!」
「何だ!」と声が叩き返した。
「魔王と魔神の件で、あなたの依頼の魂を送り出したわよ!」
しばしシーデは反応しないように見えた。
二つの混沌の惑星の間に立ち、赤い翼を大きく広げていた。この距離からでもティンケにはその色が感じられた。血と炎と滅亡のような赤。長い赤い髪が宇宙の炎の輝きの中で光っていた。頭上に赤い光輪が燃えていた。慈悲のしるしのように穏やかではなく、絶対的な殲滅を前にした警告円のように、鋭く。
シーデが燃える剣を振り回した。
刃がねじれた物質の噴出を切り裂いた。惑星の一つから混沌の大陸がまるごと剥がれ、燃える破片に砕け、虚空に飲み込まれた。
「ほう」とシーデは言った。「で、今の私にそれが関係あると思うのか?」
ティンケが胸に手を当てた。
「ほんの少しだけでも?」
「仕事がある」
「いつも仕事じゃない」
「誰かが働かないといけないからだ」
ティンケが傷ついた顔で瞬きした。
「私だって働いてる」
シーデの笑いは短く、乾いていて、危険だった。
「お前は玉座に座って糸を引いて、有限の者と話してる。まるでペットのように」
ティンケが口をゆがめた。
「それは聞こえるよりずっと複雑なの」
シーデが再び斬りかかった。
剣がより明るく燃えた。
頭上の赤い光輪が燃え上がり、彼女から破壊の波が広がった。二つ目の混沌惑星の表面が裂けた。その深部で何かが蠢いていた。核であるはずがなかった。黒い光の目のように見えたが、完全に開く前にシーデが刃を突き刺した。
「まあ」とシーデはより穏やかに言った。刃の下で混沌の塊が灰になる間も。「お前にもできることが少しはあるか」
ティンケが固まった。
微笑みが揺れた。
しばし何も言わなかった。
沈黙が長すぎた。
あまりにも長すぎた。
シーデが次の一撃の途中で止まった。
一つ目の混沌惑星がこの隙を利用しようとした。引き裂かれた表面から紫の無形の空間の触手が噴き出した。シーデを飲み込もうとするかのようにうねりながら。
シーデは片手を上げただけだった。
触手が赤い塵に弾け飛んだ。
首がゆっくりとティンケの方角に向いた。
「やらかしたのか?」
ティンケがびくりとした。
「えっと......」
「まさか本当に?」
「"やらかした"という言葉は今ちょっと......」
「どれだけ無能なの」
シーデの声が宇宙を引き裂いた。
彼女の怒りの近くで星がちらついた。ティンケの玉座の周りに運命の糸が寄り集まった。まるで来たる爆発から身を守ろうとするかのように。
「ハルメシスが姉さんを殺して、お前はたかが単純な任務をやらかしたのか?」
ティンケの顔から一瞬、遊び心がすべて消えた。
長くはなかった。
だが十分に長かった。
マヴィの名は口にされなかったが、二人の間に無言のまま立っていた。姉さん。創造。犠牲。封印。罪。すべてがこのひとつの文に詰まっていた。灼けた石のように硬く熱く。
ティンケが両手を上げた。
「ちょっと......」
声がより小さくなっていた。
「やらかしてないわよ」
シーデの目は遠くからでも感じられた。
「ティンケ」
「ちょっと......複雑になっただけ」
「ティンケ」
「送るはずだった人が死んだの」
「何?」
「つまり、本当は欲しかった魂が」
ティンケがより速く話した。
「死んだの、うん、でもその人にはまだ生まれてない子供がいて、妊娠してたなんて知らなくて、そしたらなぜか生まれてない子供のほうが来ちゃって、突然二人になってて一人じゃなくて、それで......」
口を閉じた。
シーデは何も言わなかった。
そのほうがひどかった。
ティンケが唾を飲んだ。
「それで......まあ......送り出した」
宇宙が静まった。
自然に静まったのではなかった。戦場の両軍が突然、自分たちより大きなものが到着したことに気づいたときのような静けさ。
シーデが完全にティンケのほうを向いた。
背後の二つの混沌惑星はまだ生きていた。震えていた。変形していた。表面から新たな混沌の奔流が噴き出していた。一つが砕けた大陸の巨大な顎を開いた。もう一つが自転し始めた。加速しながら。まるで宇宙の刃になろうとするかのように。
シーデが剣を掲げた。
「灰壊」
叫ばれてはいなかった。
大きくさえなかった。
だがその言葉が周囲の空間を消した。
シーデの背後で混沌が虚無に溶けた。
燃やされたのではない。砕かれたのでもない。引き裂かれたのでもない。
消滅した。
二つの混沌惑星が一瞬だけ見えた。まるで現実が、すでに滅ぼされたことを忘れているかのように。そして消えた。触手も、ねじれた山脈も、偽りの海も、叫ぶ混沌も。すべてが虚無になった。闇ではない。塵でもない。記憶でもない。
虚無。
背後の星々だけが残った。
そしてシーデ。
彼女が近づいてきた。
動くたびに姿がより鮮明になった。
赤い髪が肩にかかっていた。長く、重く、一部が太い三つ編みに編まれ、燃える蛇のように胸の上に横たわっていた。何本かの筋が動いていた。見えない嵐の中にいるかのように。頭上に赤い光輪が燃えていた。円く、灼熱に、宇宙の黒を背景に鋭く。
翼が背後に広がった。
巨大に。赤く、暗く、炎のように。羽の先端が灼熱の刃のように見えた。深い赤のもの、ほぼ黒のもの、液体の炎のようにきらめくもの。翼が動くたびに空間が震えた。ほとんど動きを必要としないのに。
銀色の鎧を纏っていた。重く精巧で、肩と胸と腰に鋭い板が重なっていた。赤い宝石が閉じ込められた星のようにその中で燃えていた。腕には黒と銀の装甲が暗い手袋まで続いていた。彼女のどこにも遊び心はなかった。柔らかさもなかった。美しかった、確かに。だがそれは燃える剣が美しいのと同じ種類の美しさだった。落ちる直前の。
顔は静かだった。
静かすぎた。
目がティンケに向けられていた。その視線には姉妹の情もなく、寛容もなく、赦しに変わりうる疲労もなかった。あるのは怒りと制御と、他のものが存在し続けられるように永遠にわたって物事を滅ぼし続けてきた女神の、果てしない疲弊だけだった。
ティンケがゆっくりと玉座に座り直した。
「シーデ」と彼女は慎重に言った。
「だめだ」
「説明できるんだけど」
「だめだ」
「本当に、運命の糸をよく見ればすごく面白くて」
「だめだ」
ティンケが指を一本立てた。
「あの子たち、本当に興味深いの」
シーデがさらに近づいた。
玉座の周りの空気が熱くなった。有限の肌の上の火のようにではなく。破壊という概念そのもののように。ティンケの光輪がかすかにちらついた。シーデの赤い輝きに圧されるように。
「一人は並外れた魔力を持ってる」とティンケが急いで言った。「もう一人は運命の糸との強い繋がりがある。だから厳密に言えば、私は失敗したんじゃなくて、予想外の代替案を見つけたとも言えるわけで」
シーデが目の前に立った。
二人の間にもう本当の距離はなかった。
ティンケが弱く微笑んだ。
「創造的な解決策?」
シーデが彼女を見据えた。
そして怒りの声が宇宙に轟いた。
「ふざけてるのか? この役立たず!」




