第百六十三話 極上の宴と、極上ポークソテー
厨房から漂い始めたのは、じっくりと炒めた玉ねぎの甘みと、ジューシーなお肉の香ばしい匂いだった。
朔夜がフライパンでじっくりと焼き上げているのは、極厚にカットした特製ポークソテー。表面はカリッと香ばしく、中はあふれんばかりの肉汁を閉じ込めた極上の焼き加減だ。
そこに特製のすりおろし玉ねぎとニンニク、醤油をベースにした特製和風ソースを回しかけると、ジュワッという激しい音とともに、食欲を直撃する湯気がブワッと立ち上った。
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「お待たせしました! 本日の特別メニュー、『厚切りポークソテー〜特製オニオンガーリックソース添え〜』です!」
大皿に盛られた熱々のポークソテーと、山盛りの炊きたてライスの登場に、テーブルを囲んでいた三人から一斉に歓声が上がる。
「うおおおっ! こいつはたまらん! 待ちきれねえぜ!」
ガルドが真っ先にナイフとフォークを伸ばし、大ぶりに切り分けた肉を口に放り込んだ。
「んん~っ!! 柔らかいのに肉々しくて、ソースの旨味がジュワッと口いっぱいに広がる……! ご飯が、ご飯が止まらねえ!」
「ソースの香ばしさとニンニクのコクが絶妙だね。疲れが一気に吹き飛んでいくよ」
レインも目を細め、幸せそうに頬を緩ませる。
「本当にサクヤの料理は罪深いわね……こんなに美味しいと、いくらでも食べられちゃいそうじゃない」
セレスも上機嫌でワイングラスを傾けた。
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「みぁ〜っ!」
カウンターでは、クロノも自分用に作ってもらった『細切りささみとカボチャの旨味スープあえ』を、ペチャペチャと勢いよく舐め取っている。
「クロノもお疲れ様。いっぱい食べてね」
朔夜が優しく撫でると、クロノは「ふにゃ〜」と喉を鳴らして応えた。
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賑やかな笑い声と、皿とフォークが触れ合う心地よい音。
中央炉の過酷な道のりを乗り越え、こうしてみんなで囲む食卓は、いつも以上に温かく感じられた。
(この温かな日常を守ることができて、本当に良かった……)
朔夜は皆の笑顔を見つめながら、これから始まる黒猫亭の新たな日々に想いを馳せるのだった。




