↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『潰れかけ喫茶店ごと異世界転移したので、黒猫と静かに営業していたら最強の休憩所になっていました』  作者: CASCADE


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
155/178

第百五十六話 頼もしい背中と、絆の行軍



翌朝、朝靄(あさもや)が立ち込める街道を、四人と一匹のパーティーが進んでいた。


先頭を歩くガルドの大斧が朝日に照らされて鈍く光り、隣を行くセレスの杖からはほのかな魔力の光が漂っている。手際よく周囲を警戒するレインの姿も実に頼もしい。


リュックの横からひょっこりと顔を出しているクロノは、お気に入りの緑のマフラーを風になびかせながら、どこか誇らしげに周囲を見渡していた。


先日のひとりでの探索とは一変した賑やかな道中に、朔夜はふと歩みを緩め、前を行く仲間たちの背中に向けて問いかけた。


「……あの、本当に皆さん、一緒に来てもらって良かったんですか? 店の事情に巻き込んでしまって、申し訳ないというか……」


◆


朔夜の言葉に、ガルドが豪快に振り返って太い腕を組んだ。


「ハッ! 何を水くさいこと言ってやがるんだ、サクヤ! 俺たちはサクヤの作る美味い飯と、あの居心地のいい黒猫亭が大好きなんだぜ? その店が危機だってんなら、助けに行くのは当然だろ!」


「そうですよ、サクヤさん」


レインも優しい笑みを浮かべて頷く。


「それに、サクヤさんがひとりで行ったら、みんな心配で街でじっとしていられませんからね。僕たちにとっても黒猫亭は大切な居場所なんです」


「そういうこと」


セレスは口元を少し緩め、杖を肩に担ぎ直した。


「それに、未調査の深部となれば強い魔獣が出る可能性もあるわ。腕利きの冒険者がついていたほうが安全でしょ? お礼は帰ってからの美味しい特別メニューでいいわよ」


◆


「みなさん……」


仲間たちの温かい言葉と真剣な想いに触れ、朔夜の胸の奥がじんわりと熱くなる。

自分ひとりで背負い込もうとしていた秘密や危険を、こうして共に分かち合ってくれる存在がいることが、何よりも心強かった。


「みぁ〜ん!」


胸元でクロノも「その通りだ!」と言うように元気に一鳴きし、みんなに向かってしっぽを振ってみせた。


「ふふ、クロノも大賛成みたいね」


セレスが目を細めてクロノの頭を撫でる。


◆


「よし! 決まりだな。さあ、そうと決まればさっさと『中央炉』とやらを見つけて、サクヤの美味い飯で祝杯をあげようぜ!」


「はい! 行きましょう!」


ガルドの威勢の良い声を合図に、一行は再び歩みを進めた。

白銀の静寂に包まれた『迷いの森』の入口が、すぐ目の前まで迫っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。