第百五十五話 再出発の宴と、特製スタミナドリア
明日からの本格的な探索に備え、黒猫亭の厨房には芳醇なバターと香ばしいチーズの香りが満ちていた。
朔夜が腕を振るったのは、具だくさんの『特製ゴロゴロ肉と根菜のスタミナドリア』だ。
じっくり炒めて旨みを閉じ込めた牛肉と、じっくり火を通したホクホクのカボチャ、甘みの増したタマネギ。それらをコクのある濃厚なホワイトソースとガーリックライスに合わせ、たっぷりのチーズを乗せてオーブンで焼き上げた逸品である。
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「お待たせしました。熱いので気をつけてくださいね」
焼き立ての耐熱皿がテーブルに並べられると、表面でフツフツと泡立つきつね色のチーズから、食欲を激しくそそる香ばしい湯気が立ち上った。
「うおっ……! こいつはたまらん匂いだぜ!」
ガルドがスプーンを伸ばし、ハフハフと息を吹きかけながら口へと運ぶ。
「うむっ……! 濃厚なホワイトソースにガーリックライスのガツンとしたコクが合わさって、身体の底から力が湧いてくるようだ! カボチャの甘みも絶妙だな!」
「チーズがとろとろで、本当においしいよ。これなら明日からの過酷な移動も乗り越えられそうだね」
レインも幸せそうにほほ笑みながら、ハフハフとスプーンを進めていく。
「ふふ、サクヤの料理は相変わらず胃袋を掴むのが上手いわね。これで準備万端ってわけだわ」
セレスも満足そうに目を細めた。
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「ふにゃ〜ん!」
テーブルの端では、クロノが自分用に作ってもらった『細切れ鶏肉とサツマイモのやわらかドリア風』を、ペチャペチャと嬉しそうに舐め取っている。
「クロノも気に入ってくれたみたいだな」
朔夜は相棒の頭を優しく撫で、自身もドリアを口に運んだ。
あたたかな料理と仲間たちの笑顔。この憩いの時間こそが、明日へ向かう最大の糧だった。
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「よし……みんな、しっかり食べて明日に備えよう。迷いの森の『中央炉』を目指して、黒猫亭の本当の安定を取り戻すぞ!」
「「おーっ!!」」
元気な掛け声が小さな店内に響き渡る。
温かな日常を守るため、一行の決意は一層強く結ばれるのだった。




