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『潰れかけ喫茶店ごと異世界転移したので、黒猫と静かに営業していたら最強の休憩所になっていました』  作者: CASCADE


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第百五十五話 再出発の宴と、特製スタミナドリア



明日からの本格的な探索に備え、黒猫亭の厨房には芳醇なバターと香ばしいチーズの香りが満ちていた。


朔夜が腕を振るったのは、具だくさんの『特製ゴロゴロ肉と根菜のスタミナドリア』だ。


じっくり炒めて旨みを閉じ込めた牛肉と、じっくり火を通したホクホクのカボチャ、甘みの増したタマネギ。それらをコクのある濃厚なホワイトソースとガーリックライスに合わせ、たっぷりのチーズを乗せてオーブンで焼き上げた逸品である。


◆


「お待たせしました。熱いので気をつけてくださいね」


焼き立ての耐熱皿がテーブルに並べられると、表面でフツフツと泡立つきつね色のチーズから、食欲を激しくそそる香ばしい湯気が立ち上った。


「うおっ……! こいつはたまらん匂いだぜ!」


ガルドがスプーンを伸ばし、ハフハフと息を吹きかけながら口へと運ぶ。


「うむっ……! 濃厚なホワイトソースにガーリックライスのガツンとしたコクが合わさって、身体の底から力が湧いてくるようだ! カボチャの甘みも絶妙だな!」


「チーズがとろとろで、本当においしいよ。これなら明日からの過酷な移動も乗り越えられそうだね」


レインも幸せそうにほほ笑みながら、ハフハフとスプーンを進めていく。


「ふふ、サクヤの料理は相変わらず胃袋を掴むのが上手いわね。これで準備万端ってわけだわ」


セレスも満足そうに目を細めた。


◆


「ふにゃ〜ん!」


テーブルの端では、クロノが自分用に作ってもらった『細切れ鶏肉とサツマイモのやわらかドリア風(チーズなし)』を、ペチャペチャと嬉しそうに舐め取っている。


「クロノも気に入ってくれたみたいだな」


朔夜は相棒の頭を優しく撫で、自身もドリアを口に運んだ。

あたたかな料理と仲間たちの笑顔。この憩いの時間こそが、明日へ向かう最大の糧だった。


◆


「よし……みんな、しっかり食べて明日に備えよう。迷いの森の『中央炉』を目指して、黒猫亭の本当の安定を取り戻すぞ!」


「「おーっ!!」」


元気な掛け声が小さな店内に響き渡る。

温かな日常を守るため、一行の決意は一層強く結ばれるのだった。

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