↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『潰れかけ喫茶店ごと異世界転移したので、黒猫と静かに営業していたら最強の休憩所になっていました』  作者: CASCADE


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
143/180

第百四十四話 調査の準備と、特製ポーク生姜焼き



翌朝、昨夜の警備隊員の話が頭から離れない朔夜は、開店前の厨房で手際よく朝食の準備を進めていた。


迷いの森で起きている異変と、地下室で見つけた羅針盤が指し示す方角。

二つの出来事が重なっている以上、一度森の様子を見に行く必要がありそうだった。


(もし調査に向かうとしても、しっかりと準備を整えてからだな……)


朔夜が考えを巡らせていると、厨房の勝手口からクロノがひょっこりと顔を出した。緑のマフラーを誇らしげに巻き、元気に「みゃー!」と朝の挨拶をしてくる。


「おはよう、クロノ。今日も寒いな」


相棒の丸い頭を優しく撫でると、少し張り詰めていた心がすっと和らいでいくのが分かった。


◆


昼の営業が始まると、寒さを逃れるように常連たちが次々と来店してきた。


「サクヤさーん! 今日もすっごく寒いから、ガツンと力が出るものが食べたいな!」


ルカがコートの雪を払いながら元気に暖簾をくぐる。後ろからはセレスとガルド、レインも続いて入ってきた。


「ふふ、ルカの言う通りね。寒い日こそ、しっかり食べて体力をつけないと」


「よし、今日はとっておきのスタミナ料理を用意していますよ」


朔夜が用意したのは、特製のタレが香ばしく香る『ポーク生姜焼き定食』だ。


厚切りにした豚肉を、たっぷりのすりおろし生姜、醤油、みりん、そして隠し味にほんの少しの蜂蜜を加えた特製ダレでジューシーに焼き上げている。シャキシャキの千切りキャベツと、炊き立ての白いご飯が添えられた、ボリューム満点の一品だ。


◆


「うわあ……! 生姜のいい香りがして、すごく食欲がそそられるよ!」


ルカが待ちきれない様子で箸を伸ばし、肉をご飯の上にのせて一口で頬張る。


「んん〜〜っ! お肉がすっごくジューシー! 甘辛いタレと生姜のピリッとした辛さが最高で、ご飯が止まらないよ!」


「ガツンとくる旨味だな! この生姜の風味が腹の底から体を熱くしてくれるぜ!」


ガルドも豪快にご飯をかき込み、大満足で頷いている。

レインやセレスも美味しそうに頬張り、店内にはあっという間に賑やかな笑顔があふれ出した。


◆


カウンターの端では、クロノが自分用に用意された温かいポークボイル(味付けなし)を、満足そうに「もぐもぐ」と食べている。


みんなの幸せそうな顔を眺めながら、朔夜は密かに決意を固めていた。


(みんながこうして安心して美味しいご飯を食べられる場所を守る。そのためにも、しっかり準備をして森の調査へ向かおう)


暖かな店内と香ばしい生姜焼きの香りに包まれながら、朔夜は静かに次のステップへと意識を向け始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。