↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『潰れかけ喫茶店ごと異世界転移したので、黒猫と静かに営業していたら最強の休憩所になっていました』  作者: CASCADE


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
139/179

第百四十話 古い鍵と、隠された地下扉



初雪が街をうっすらと白く染めた翌日、冷え込みはさらに厳しさを増していた。


本格的な冬の到来に備え、朔夜は店の備品チェックと大掃除を兼ねて、厨房奥の保管庫を片付けていた。

積まれた木箱を動かしていた時、床の片隅に小さな違和感を覚える。


「……ん? ここは……」


使い込まれた板張りの床に、うっすらと四角い切れ目が入っていた。

表面のホコリを払い、隠されるように置かれていた古い樽を退けると、そこには固く閉ざされた小さな木製のハッチ――地下へと続く扉が現れた。


◆


「みゃ……?」


異変に気づいたクロノが、緑のマフラーをなびかせながらトコトコと寄ってくる。

扉には頑丈な金属製の南京錠が取り付けられており、手で引っ張ってもびくともしない。


朔夜はふと思いつき、先日見つけたあの古い日誌を取り出してみた。

日誌の分厚い革表紙の裏を優しくなぞってみると、小さなポケット状の切れ込みがあり、そこから真鍮製の古びた鍵がひとつ、ころりと掌に転がり落ちてきた。


(……やっぱり、この店にはまだ俺の知らない過去がある)


◆


カチリ、と静かな金属音が響き、南京錠が重々しく外れた。


ゆっくりとハッチを持ち上げると、ひんやりとした古い空気とともに、地下へ続く石造りの階段が暗闇の中に伸びていた。


「ふにゃ〜……」


少し身構えるクロノの頭を優しく撫でながら、朔夜はランプを取り出し、明かりを灯す。


「大丈夫だ、クロノ。少しだけ中を覗いてみよう」


◆


ランプの灯りに照らし出された地下室は、ホコリこそ被っていたものの、かつて調味料やワイン、そして怪しげな魔導具のようなものを保管していた跡が残っていた。


部屋の奥にある古い机の上には、一冊の大きな羊皮紙の地図と、不思議な光を放つ小さな羅針盤が静かに置かれている。


(前の店主は……ここで何をしていたんだ?)


この店が異世界から移転してきた理由、そして前の店主が残した「選択」の意味。

黒猫亭の深奥に眠る謎が、静かにその姿を現そうとしていた。


---


今後のストーリー出力も、すべてこの「コード枠なし・縦スクロール形式」で統一してお届けしますね!


続きの「第百四十一話」へ進む場合は、いつでも「次お願い」とお申し付けください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。