95.家族
ミオ視点
「…おはよう」
重い瞼を開けたらリムリーがいた。
「……おはよ」
そう返してゆっくりと身体を起こす。
「朝ごはん作ってみた…から、食べる?」
とリムリー。
「…食べる」
頭がよく回っていないものの、そう答える。
リムリーに手を引かれて寝室を出ると、キッチンの方からシズクがひょこっと顔を出して、こちらを見ていた。
私はシズクについてあまり知らない。
レオとどういう契約をしたのか…とか、どんな能力を持っているのか…とか。
まぁレオも多分、リムリーのことは分からないだろう。
「おはよう」
リムリーはそうシズクに声をかける。
「あ、おっ…おはよう…ございます死神様…」
シズクは慌て気味にそう返した。
「だから…元、死神よ。そんな怖がらないで」
リムリーはそう言うと、パッとシズクのところに飛んで、シズクを撫で回した。
「は、はは…えと…私…人見知りで…」
シズクは大人しく撫で回されながら、顔を青くしてそう言う。
まるで蛇に睨まれた蛙のような…そんな怖い…?
「おはようミオ」
声の方向を見ると、ダイニングの椅子に座っている、いつもよりクマの酷いレオがいた。
「また寝てないの?徹夜で本でも読んでたわけ?」
「…あぁ…読み聞かせを少しな」
「え?子供でもできたの?」
そう言うと、レオはシズクの方向を顎でしゃくった。
なるほど。シズクは思った以上に精神年齢が低いらしい。
「…大変そうだね」
「そういうミオは?」
「リムリーはかなり大人だよ。今日も朝食作ってくれたし…何でもできる常識人って感じ」
「あの距離感の詰め方は常識人じゃないと思うが…」
レオはそんなことを呟く。
「…?」
「あ、いや…気にしなくて良い」
「わかった」
その後、少ししてシズクとリムリーが朝食を持ってきた。
二人と二柱で机を囲い、食事を始める。
献立はパンとスクランブルエッグ、ウィンナー、コーンスープの四品だった。
一つ一つ、味を噛みしめる。
パンは独特の優しい甘みがちゃんと再現されていて、匂いとの違和感がない。
スクランブルエッグは、それ自体には味が無いものの、掛けられたソースは甘じょっぱく、どんどん食べ進められる。
ウィンナーは肉汁の味が詳細に再現されていて、全体的にしょっぱい風味となっている。
…プリっとしたウィンナーに、中から溢れる肉汁…とても美味しい。
コーンスープは匂いが多少薄いものの、あっさりとした味付けで、あまり胃に貯まらない感じがして、美味しい。
ただ、猫舌なレオにはキツそうだった。
…あれ?シズクも猫舌なのだろうか。レオと全く同じ反応をしていた。
総じてかなり美味しいと感じた。
そのことをリムリーに伝えると
「暇がある時に、再現を試してたから」
なんて微笑しながら返してきた。
自信作だったらしい。
朝食のことが好きになった気がする。
あと、リムリーのことも。
まぁ、これを書いてる私は朝食食べてないんですけど。
読者諸賢は一日頑張る元気を付けるために、ちゃんと朝食は食べましょうね(小並感)




