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人外っぽい少女、人外になる。  作者: 倉石 雨


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90.拷問

Tips:ソル・ドモールについて


ソル・ドモールとは、ルーシル帝国内にて現代に至るまで行われている『禁忌魔法使用者』とその血縁者…或いは『人間の形をしていながら人間では無い存在』に対する弾圧政策です。


その方法は少数派コミュニティを僻地に追いやってから、その地で『人為的な飢饉』を起こし、殺害するという極めて悪辣なもので、この件に関して、外国に対しては一切情報が伏せられており、一切の批判がなされていません。


国内においても、一般に使われる僻地が『何故か』軍の接収地として指定されており、その関係で一般人の侵入を禁止しているためか、情報が流通していません。


ただ、知識人層の中には『知っていることを隠している』人間がいる…とは思います。


…何故ここまで惨いことができるのか…ですって?

ふむ。私なりに一応考えはあるんですが…今語るのも野暮というものでしょう。


まぁ1つ、あるとすれば…こういう類いの噂には大抵、皇室御用達の『聖農教会』なる宗教組織が、決まって話に出てくるんですよ。


『聖農教会は少数派を弾圧している』…みたいな。


まぁ、真偽は定かではないのですがね。


読者諸賢に判断は委ねますよ。


…豆知識の語りにしては、かなり長くなりましたね。


本編いきましょうか。



ミア視点

「ひっぃィ……」

女がまた泣いた。


そんなに泣かれると、こちらはやる気が失せてしまう。


…まぁ…そんな『やる気』なんて問題は無視して、

私は工業用ペンチを使って、女の爪を皮膚ごと引きちぎった。


女は本日6度目の絶叫をする。

…まだまだ元気らしい。


子供を誘拐しておいて、泣いただけでまともな扱いがされるなんて…そんなに私の頭はお花畑ではない。


次は、既に血に塗れていたノコギリを取り出す。


「で、もう一度聞くけど…貴女はどこの組織にも属していない…のね?」

そう聞くと


「はっ…ヒッュっ…あ、えッ……フュっ…や、やァ…やめ…やめてっ!!もうッ…こ、来ないで!」

そう返してきた。


「…そっか」

答える気はないんだね。そう。


先程、引きちぎった爪の部分にゆっくりと縦にノコギリを這わせて、グイッと引く。


絶叫。

「…はぁ、大人しく吐けば?」


「も、もうッ…言いますっ!だから!だからっ…解放してッ!!もうイヤッ!痛くしないでっ!!」

…幼児退行でもしているのだろうか。

可哀想に。


ノコギリをもう一度同じ場所に這わせる。

「っッ…!りッ…リヴァ・マフィアの人!なの!」

女はそう答える。


…そっか。

私は優しく微笑んでノコギリを手から離す。

「……最初からそう言えよ」

つい本音が出てしまった。


「ご、ごめっ……なさいぃ…」

そう言う女の顔は先程よりも、若干安心したようなものだった。

…これで終わるとでも?


「じゃあ次、誰が計画したの?」

ぐいっと顔を近付けてそう聞く。


「ボスの指示でッ…多分っ…その側近が考えたんだと…おもッ…か、考えます!」

表情からして、ちゃんと嘘はつかずに女視点での事実を吐いているように見える。


「そっか。ちゃんと教えてくれてありがとう。良い子だね」

そう言って優しく撫でると、女の顔が緩み、涙の量が増えて……アンモニアの匂いがし始めた。

…抵抗する気力も無いらしい。


その後、丸一日ほどかけて情報を全て搾り取ってから、少しだけ待遇の良い監禁部屋に入れる。

ちなみに男の方は全然吐かなかったので早々に殺した。

…女の目の前で。


女の方はまだ利用価値がある。

これだけの拷問をしたのだから、心理的トラウマを植え付けられていると考えて良いだろうし、この女は『吐いて安心を得た』という経験があるわけで、協力を促せば…まぁまた明確に敵対してくることは無くなるだろう。


「ねぇ貴女…これからも私に協力してくれない?」


「きょ…協力って…」


「ああ、部下としてちゃんと対等に扱うタイプの協力。まぁ貴女が奴隷になりたいというのならそっちでも良いけれど」


「ど、奴隷にッ…してください…!…私っ…もう考えたくなくて…ッ……」

…えっ?何故?

「…もう痛いのは嫌でッ…でも、組織に帰っても居場所はないだろうしッ……いっそ貴女のものになってしうのが…きっと一番幸せなんです!」


「ふーん…貴女が言うのなら…良いわ。奴隷契約を結んであげる」

あくまで冷静を装って、女の顔の前でニヤッと笑いつつ、そう言う。

…奴隷契約のやり方はリムリーに聞こう。


「そ…そのっ…私に名前をいただけませんか…もうッ…過去なんて全部捨てたくて…思い出したくないんですっ…」

…えぇ?この人…名前…まあいいや。


「貴女は今日から『ヴィナ』よ」

場の空気を崩さないように、女の顎をクイっと持ち上げつつ、一瞬で考えた名前をそう伝える。


「ありがとうございますッ…!ミオ様っ…」

ヴィナは泣き出しそうな顔をしながら、そう言った。

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