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人外っぽい少女、人外になる。  作者: 倉石 雨


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82/254

82.信仰契約

引き続き、ミオ視点。

「とりあえず契約する神様を個室に呼んでおいたから、話して、合うようだったら契約して。合わなかったら別に断って良いからね」

ソフィア姉はレオと私にそう言うと、立ち上がり、私たちの手を引いて歩き始めた。

…っ…ソフィア姉の手…っ…冷たくて気持ちいい…


レオが先に個室へ入り、私はその隣の個室に入った。

「初めまして」

扉を開けて飛び込んできた女神の姿は…それはもう美しかった。

段々と黒くなる深緑の髪に、鋭い赤の目、黒いドレスと銀の薔薇のブローチ…そして周りに舞う綺麗な黒い微粒子。

…あ、挨拶を返さないと。

「こ、こんにちは」

「そんな褒めても何にもないよ」

…っ…心の声、聞かれてた?

ハスキーな声の女神様は瞬きの合間に目の前まで歩み寄り、私の鼻にツンと触れた。

やばいっ…この女神様好き!


「私は少し前まで、二百年間ほど死神をやってたの」

一度、女神様と共に腰を落ち着けて、幾らか話をする。

死神…なんだか格好良い…

「あ、貴女が思っているようなものじゃなくて…もっと事務的で、大変なの」

そう言っている女神様の無表情な顔が、一瞬苦みを帯びた気がした。

…鎌を持って走り回る職業なのだろうか。

「書類を持って走り回る職業」

…思った以上に世俗的というか…

「でも、格好良い」

そう本音を言うと、

「ふっ…面白い子」

そう女神様は評価してくれた。

嬉しいっ…

「…それで、契約の話をするけど、まずは確認。私で良いの?」

「もちろん!」

「…私、上位神じゃなくて準上位神よ?一般的な信仰契約よりもレベルが低いかもしれないわ」

…?だからどうしたのだろう。

私は女神様が好きだから契約するのであって、別に能力…とか…あっ心読まれてるんだった__

「ええ、全部聴こえてる……ありがとう。私も貴女が好きだわ」

………っ…えっ!?

やばっ…神様に告白されちゃった!


「じゃあ、契約をするから…ちょっと目を瞑っていて」

そう言って女神様は私の目に手を翳す。

目を瞑る。

…女神様は何かをしているのか、ぶつぶつと呪文らしき言葉を唱えている。

しばらく待っていると、唇に感触を覚えた。

柔らかく…冷たい感覚………唇?

そこから何か柔らかい…温かいような、冷たいような液体が入り込んでくる感覚がした。

えっ……待ってっ…今キス…

「はいできた。目を開けて良いよ」

目の前には女神様の綺麗な顔があった…けど少しだけさっきとは違う。

♣︎の形をした黒い…タトゥー?が右頬に書いてあって…

「貴女にも付いたのよ。これで契約成立ね」

そう言って女神様は優しく私の右頬に触れた。

やばっ…距離が近い…

「あ、ごめん。人間の距離感が分からなくて…」

スっと女神様は距離を取った。

「だ、大丈夫!」

むしろ常に近距離でも…

「あ、そういえば貴女…名前なんて言うの?」

女神様がそう聞いてくれたので

「ミオ・シヴグラードって言うの!」

とちゃんと答えた。

あれ?

「女神様の名前って?」

「私は上位神じゃないから…名前は無い。まぁでも、グリム・リーパー(  死神  )から取って…リム・リーとか呼んでくれれば良いよ」

「わかった!リムリー様!」

「『様』は要らない」

「んっリムリー!」

「それで良い」

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