80.小休止
『新聞ツィタデレ
アメリア合衆国公式発表!皇帝が実権を持たぬ国!?
___日、アメリア合衆国政府は___それは自らを『玉依皇国』と称する極東の___『将軍』なる職の___徹底した軍事独裁___独自の価値観により__しかしながら___神事を執り行う皇帝が居るとされ__我々の価値観は通用しない__外国人居住区を人工島内のみとし、それに従わない場合苛烈な____皇帝陛下は即座に、その国と親睦を深めるよう宰相___合衆国は_植民地化を狙っているのかもしれない__』
「…日本だ」
「…あんたの昔住んでた国?」
「そう。行こうかな」
「あんた、よくあんな国に行こうって言い出せるわね?私は一生関わりたくないわ」
「なんで?」
「あんな殆どの人間がMMORPG?だかなんだかにのめり込んで、現実世界を生きることを忘れきった国なんて…居心地悪いでしょ?そして気味が悪い」
「静かで良いじゃん…」
「…あんたはそうかもしれないけど…いや、まぁ…この世界だと案外マトモなのかもしれないわね」
「とりあえず、レオとミオが大人になったら…行こう」
「良いわね。ちゃんと、思いつきで飛び込むような真似をしないってところ…評価高いわ」
「…ありがとう」
「お嬢様…えっと…足りない物のリストです。良ければ…」
私が研究所へ向かう支度をしていると、レナが声をかけてくれた。
「うん、買って帰るよ。教えてくれてありがとう」
「あ、そんなっ…とんでもございません!えっと…帰ったらお風呂沸かしておきます…!」
最近レナに気を使ってもらっている気がする。
…ちゃんとそれに応えないと。
「本当にありがとう。じゃあ…頑張ってくるね?」
「はいっ!お嬢様!行ってらっしゃいませ!」
「これで完成…したか?いやまだまだおかしいところが多い。そもそもこんな技術の安定した実用化なんてできるのだろうか…うむ…データ上、安定した収納状態を出せているのなら逆に___」
…研究所で幾らかの実験をした後、技術将校はまた1人の世界に入って、何やら喋っている。
まぁいっか。
「先生、帰って良いでしょうか」
「もちろんです准将閣下………初期のデータと合致する合理的な___」
私への案内はたった一言、独り言はたくさん。研究者は皆、こうなのだろうか?
「「おかえりなさい!お姉ちゃん!!」」
レオとミオがそう迎えてくれるので、2人を抱きしめて
「ありがとね」
と言う。
「えへへ!」
「うん!」
レオとミオはそんな反応をしてくれる。
2人は優しい。
「お嬢様、お風呂用意しました」
レナがそう言ってくれる。
「ありがとう。リストの物買ってきたよ」
そう言って、手に下げていた紙袋をレナに渡す。
「ありがとうございますっ!」
レナはまるで贈り物をしたかのように喜んでくれた。
…良かった。
そのままお風呂に入りに行こうと浴室へ行くと、イザベラがいた。
「あっ…せっかくよ。私の背中でも流して頂戴」
イザベラは少し高めの声でそう言った。
「わかった」
私はそう答えて、イザベラの後ろに付いた。
その後、一緒に湯船に浸かり、どうでも良い話をしながらお風呂を満喫。
脱衣所から廊下に出た頃には、すっかり夕食の時間になっていた。
夕食はレオとミオのお気に入りであるボロネーゼ。
栄養が偏らないよう野菜やパンも出していて、レナの心遣いが見える。
「いただきます」
「「いただきます!」」
「…いただきます」
「いただきます」
適度に口を付けつつ、レオとミオを観察する。イザベラもレナも同じ行動をしているようで、レナと目が合って、二人で苦笑してしまった。
…本当に美味しそうに食べてて…安心。
その後、レオとミオの遊び相手をして、2人が疲れて寝た頃に、レナとリビングでお話をする。
…今日もあんまり困ったことは無かったらしい。
ちゃんと感謝を伝えて、手に優しくキスをして…ってあれ?レナ?だ、大丈夫?
その後、何故か倒れてしまったレナを介抱して、12時くらいに床に就く。
…こんな生活が一生続けば良いのに。
ここから…時代を少しだけ巡らせましょうか。
10年後。極東の島国から使節団が来たり、レオとミオが大人びた少年少女となったり…ルーシル帝国で革命が起きたり…世界戦争が巻き起こったり…そんな時代の波が来ることになります。
ソフィアはその波の中で、一体どんな選択をするのでしょうか。
乞うご期待…まぁ今日中に多分書ききって投稿するのですが。




