79.最近、お嬢様が優しい
レナ視点
最近、お嬢様の様子がおかしいのです。
いえ、悪い意味ではなくて…むしろ嬉しいというか…
あ、前が悪かったという訳ではないんです。
完璧過ぎて、支えられなくて…私が困るくらいには…
「ねぇレナ…」
お嬢様がそう優しく声をかけてくれる。
「はいっ…なんでしょう?」
「その…一緒に料理作らない?」
「もちろんです!」
「ありがとう…レナは本当に優しいね」
そう言ってお嬢様は頭を撫でてくれた。
っ……最高っ…
そういうわけで、お嬢様と一緒にビーフシチューを作りました。
レオさんとミオさんに美味しく食べて貰えるような味付けで、夕食用になります。
…喜んでくれるでしょうか。
味見をしてもよく分からないのが、この身体の唯一の難点です。
最近、お嬢様との距離感が近くなった気がします。
今も、お嬢様のお膝に乗らせてもらっていて…っもう心臓がっ…バクバクです…!
…甘い苺の匂いっ………あぁ…息が…お嬢様の息がかかって…良い匂い…いやっ何を考えて!
「…大丈夫?具合…悪いの?」
肩の方からひょこっとお嬢様が顔を出して、私の顔を覗き込む。
「いえっ!お嬢様のおかげでとても元気です!」
「そっか。無理しなくて良いからね…?」
そう言ってお嬢様は優しく抱きしめてくれた。
…お嬢様のためなら一生無理できます…っ…
最近、お嬢様が、私のことをすごく気にかけてくれる気がします。
いつも、レオさんとミオさん達が眠った後、静かになったリビングで優しく寄り添ってくれて…
『今日は何か…困ったことはなかった?』
なんて、言ってくれるんです!
「レナ、今…時間ある?」
あ、お嬢様の声っ…
「はい!ありますよ」
「そっか、良かった。今日は何か、困ったこととか…辛かったこと…無かった?」
「はいっ!おかげさまで!」
あっ、つい本音が!
「…?そっか…レナが良いなら良かった…」
そう言ってお嬢様は、ソファに座っていた私の隣に腰掛けて、私に身体を預けてくれた。
…っ…信頼の証っ…お嬢様の髪の良い匂い…
「明日、私研究所に行くから…何か買いに行くものがあったら…代わりに行くよ。事務の仕事やってくれて…いつもありがとう」
そう言って、お嬢様は私の手を握ってくれた。
「こちらこそっ…いつもありがとうございます…私みたいな者を取り立ててくれてっ…本当に幸せです…っぅ……」
お嬢様の優しさが沁みて、涙を流してしまった…
お嬢様の前では泣かないと決めてたのにっ…!
「あ、あ…えと…大丈…夫?」
お嬢様が心配してくれて…頭を撫でて、抱き締めてくれた。
「大丈夫ですっ…!明日も頑張りますっ…ぅ…お嬢様ぁ…!」




