72.ライヒスアドラー
吸血の描写とかってもっと艶めかしく…詳細な感じにした方が良いんでしょうかね。
『新聞ツィタデレ
アドラー軍団、オストラント首都を凱旋!
___日、旧オストヘルム帝国の、シュトゥルム将軍を始めとした全11民族の代表が首都にて共同宣言を__ライヒ系民族による国家"オストラント共和国"が成立。______アドラー軍団はオストラント共和国の首都を凱旋し、戦勝を祝__』
「なんだか静かに感じられるわね」
新聞から顔をあげると寝間着姿のイザベラがいた。
「そうだね」
メアリー達は皇帝のところに住み始めたし、シュタウフェンベルク一家は危機が去ったから、首都の自宅に帰った。
だから、今いるのは私とイザベラとレナとレオとミオの5人。
「まぁ、私はこのくらいがちょうど良いのだけれど」
そう言いつつ、イザベラは私の隣に腰掛ける。
「…私も」
このくらいがちょうど良い。
「んー…たまには私が朝ごはんを作ってあげようかしら?」
「いや、私がやるよ?」
やっぱり自分でできるのに、作ってもらうなんて忍びない。
「たまには黙って見てなさい。私があんたの胃袋を掴んであげるから」
自信ありげにイザベラはそう言い切った。
「…そこまで言うなら…お言葉に甘えて」
「ふんっ…最初からそう言ってれば良かったのよ」
そう言って満足気に立ち上がると、鼻歌交じりに台所へ歩き出した。
そこからは散々なものだった。
イザベラはパンケーキを作ろうとしたのかそれっぽい材料達を集め、目分量で突っ込み始めた。
この時点でかなり不味そうだったものの、そこから焼く前に回復薬を混ぜ、混ぜたものをフライパンの上に載せてしまった。
回復薬は、あまり使ったことがない場合、下手に焼く前に放り込んではならない。何故なら上手くやらないと、すぐ焼け焦げるからである。
結果、焦げた炭水化物ができた。
その結果にイザベラは愕然として、ダイニングの机に突っ伏して泣き出してしまった。
「ひぐっ…なんであんた、あんなに上手くできるのよ!」
「…勘?」
「何よそれ!どうしようもないじゃない!」
…イザベラに機嫌を直してもらうためにパンケーキを作ってあげようと思う。
とりあえず牛乳と卵を先に混ぜ、そこにパンケーキ用に混ぜた粉を投入。回復薬を微量のみ含ませて、フライパンへ流し込む。
片手間でメープルシロップと回復薬を混ぜた人外用メープルシロップを作り、パンケーキができ次第、上からかける。
…出来上がり。
そっとイザベラの前に出すと、ムスッとした顔を私に向けつつも…食べてくれた。
「なんであんたはこんなに上手く出来るわけ…?」
「…勘?」
「はぁ………相変わらずね…」
イザベラは頬杖をついて、私の顔を見ながらそう言った。
…相変わらず…?




