65.皇帝の決断
『新聞ツィタデレ
皇帝陛下、国民軍を支持!
_____日、皇帝陛下は__国民軍総司令官の行動を支持し、首都の叛乱勢力を速やかに排除______国民軍総司令官は国民軍の旧中央司令部を復旧する旨を発表___本格的な首都制圧を開始する___帝国軍東部方面司令部はこれに協力するという声明を発表___大勢は決した___』
どうやら大勢は決したらしく、それに伴い私は国民軍准将となった。役職は引き続き第23旅団の旅団長らしく、第23旅団自体は本格的に再編され、幾らかの新兵が送られてくることになった。
…人間なんか送られても。
「皇帝陛下は現在、首都にて極めて危ない状況に置かれているものと考えられる。安全は確認できておらず、最悪の事態すら考えられる。そのため、速やかに首都を叛乱軍から解放し、皇帝陛下を救助すべく、東部方面司令部及び西部方面司令部の統合作戦を実施することを決定した。各部隊は用意された作戦命令書に基づき、可及的速やかに行動を開始せよ」
上級大将はそんな事を司令室で言う。
各師団、旅団の長や、司令部要員はその言葉にザッと敬礼を返し、了解の意を示した。
渡された作戦命令書によると、私の旅団は真っ先に首都に乗り込んで、後続部隊の安全を確保する先鋒として使われるらしい。
…命令なら仕方ない。
問題は補充として送られてきた新兵である。
その数合計800人。
少しだけありがたいことに、部隊として既にちゃんと組まれていて、統制は取れている。
とりあえず新兵連中は『シヴグラードカ』の空いている棟に住まわせることにした。
せっかくなので新兵に、銃杖に加えて自転車とパンツァーファウストを装備させて運用することにする。
200人ずつに分けて、四個大隊とし、突撃猟兵大隊という名前で登録。
最低限パンツァーファウストの練習をさせ次第、首都のある西方へ向かわせる。
移動のために一週間をかけた。
やはり人間の管理は面倒で、食糧どうこうを色々と用意しなければならない。
神様に頼んで私は毎日、縮地魔法で家に帰りレナや子供達と接していたために耐えられたものの、そうじゃなかったら面倒になって幾らかの人間を肉にしていたかもしれない。
首都に到着。
前来た時と、すっかり雰囲気は変わっていて、あまり人間達が外に出ていない。
外に出ている人間達も斜め下を向いて歩いている。
___接敵。敵部隊が発砲してきたようで、新兵達は問答無用でパンツァーファウストを発射。
幾らか外れはしたものの、数分で敵部隊自体は壊滅させることができた。
私達の役目はあくまで『首都に乗り込んで、後続部隊の安全を確保すること』であり、統合参謀本部の攻略は後続部隊がやるだろう。
…問題は後続部隊がいつ来るかという話。
長い戦闘が始まる予感がした。




