62.制圧行動
『新聞ツィタデレ
国民軍総司令官による戒厳令!
___日、死亡したと報じられていた国民軍総司令官のルドルフ・シュタウフェンベルク上級大将閣下が『戒厳令』を出し、統合参謀本部を占拠する叛乱軍_____本紙編集部にも訪れ『いつも国民に向けて正しい情報を__ありがとう』と___編集長と握手を交わす___我々はエストブルクからライヒに向けて「国民軍総司令官が生きている」という事実を報じなけれ___』
たった一社が、そう報じたことで、世論は大きく傾いた。
『プラスター紙
国民軍総司令官生存!』
『タイマス新聞
国民軍復活!総司令官死亡は誤報か』
『ベルラント紙
______新聞ツィタデレ編集部と実際に連絡を取り___』
国民は真実を知ることになる。
上級大将によると、西部方面司令部は即座に合流を決断したのだそう。
と、言ってもこれは国民軍内のみの話であり、帝国軍司令部とは一切連絡が取れていない。
恐らくは内部で何らかの事態が起きているものと思われる。
そのため上級大将は手始めに『帝国軍東部方面司令部』を制圧することに決定。
叛乱軍として武装し抵抗した者に関しては私が銃殺隊を用いて処刑すると決まった。
…ちなみに、私が自分で志願した。理由は処刑後の死体を自由にして良いらしいから。
「…理由は聞かん。好きにしろ」
上級大将には苦笑しながらそう言われた。
あちらは汚れ仕事を部下にやらせて士気を落とすなんて事態を避けれて、こちらは肉が手に入る。
…良い互恵関係だろう。
帝国軍東部方面司令部には武装した人間が大勢いた。
将校達は皆、短銃杖とサーベルを携帯し、護衛として武装兵を連れているようだった。
人間達にとっては危ない仕事だろうし、私が制圧を担当する。
『銃殺隊』を引き連れて正面門へ。
「国民軍第23旅団のソフィア・シヴグラード中佐だ。国民軍総司令官命令第136号の追加規定第35項に基づき、帝国軍東部方面司令部の安全を確保しに来た。門を開けてくれ」
威圧しながら番兵にそう言う。
「ハッ!今すぐに」
怯む番兵は、上擦った声でそう応じた。
門が開く。
指を鳴らし人形達に突入を指示。
30の人形は迅速に1階を制圧し始めた。
幾つかの声と14発の銃声。
叛乱者が発砲したのを人形が冷静に対処したのだろう。それ以上の銃声が鳴ることは無かった。
私は唯一、二階に繋がる階段の抑えをやる。
特に誰も降りて来なかった。
人形達の集結を確認。指示役人形が7本指を立て、3本を素早く折った。
…7人の敵を確認し、3人を既に射殺、4人は気絶させたらしい。
ゴーサインを出して、人形達を二階へ向かわせる。
そこは既に武装した将校や兵達が簡易的なバリケードを作っていた。
「撃て!」
敵が発砲を始める。
私にも人形にも銃杖の攻撃なんて効かないので無視して階段を登りきり、バリケード前に展開する。
それでもなお、敵は発砲を止めない。
「そんなに肉になりたいの?」
そう口に出してしまうほど、人間達の反応は変だった。
恐怖と興奮により状況がマトモに判断できていないのだろうか。
指を鳴らして、人形達に構えを指示。
こんな銃声の中でも人形達は私の出した音をちゃんと聞き取って、全員が構える。
そうなってもなお、人間達は発砲を止めない。
「皇帝陛下万歳!ライヒに栄光あれ!」
そんなことを叫びながら、まだ撃ってくる。
「………三斉射」
30の銃声が同時に3回響く。
計90発の攻撃で木製の椅子や机でできていたバリケードは脆くも崩れさり、貫通し、そこにいた人間達を問答無用で薙ぎ倒した。
生き残りはいない。
10人に肉の収集と障害物の除去を指示、他には武装した状態で各所を監視…或いは制圧するよう指をクルクルと回して指示を出す。
…次は3階。




