6.意外な問題
吸血鬼?
「そう。レナは吸血鬼になったの。ついでに、不老不死にもなった」
んー、王様とかを堕とすのは無しかな。
「そうね。一生生きてる王様とか人外バレしちゃうわ」
「血飲む?」
吸血鬼になったレナに聞いてみる。
シャツのボタンを外し、首筋を露出させる。場所はレナの家なので多分誰も見てない。
「あぁお嬢様…そんな恐れ多い」
そう言いつつレナの視線は首に釘付けらしい。
「良いんだよ?」
そう言ってレナに抱きつき、レナの口元に首筋がくるよう手で頭を抑えた。
我慢できなくなったようで、小さくカプリと噛み付かれた。意外と気持ちいいかも。
「うう…レナは悪い子です」
一連の吸血が終わったあと、酩酊状態のように顔を赤くしてレナは泣いていた。
「そんなことないよ」
ポンポンと頭を撫でる。
神様、どうにかしてよ。
「分からないわよ人間の心理に関するアドバイスなんて」
もっと物理的な介入とか
「無理よ。私がやれるのはあんたと喋ることだけ」
結局、膝枕をしてあげてたら、30分くらいで泣き疲れたのかレナは寝た。
安心しきったような、可愛らしい寝顔。
「あんたかなり人間堕とすの上手いわね?」
「そうなの?」
「そうよ」
レナって普通の食事食べれるのだろうか。
「食べれるけれど薄味に感じるでしょうね」
「魔力を内包した血の味を知ったから?」
「そんなところよ」
じゃあポーションとかに使われるような葉っぱとかを使った料理なら、魔力内包してるわけだし、普通に美味しく食べれるのでは。
…それなら私も美味しく食べれるのでは?
「なんでこう…頭回るのかしら。正解よ」
じゃあ作ってみよう。
レナの家にあった色々なポーションやその元となる葉っぱをちょっぴり拝借して、味を見てみる。
回復薬は甘い。体力強化薬はピリ辛。解毒薬は苦い。
この特性を上手く使って、とりあえずスイーツを用意することにした。
牛乳に卵、回復薬等々。
多少こっちの世界のキッチン構造に手間取ったものの、すぐ理解できた。
「あんた前世でも料理人やってたら良かったんじゃない?」
「前世では私自身の舌を満足させるためだけの料理しか作ってなかった」
できた料理はプリン。
口に入れると血とは違うあっさりとした甘みが広がって、回復薬の効果か、何も口を動かさずとも口内でとろけていった。
「うっ、うらや…………なんでもないわ」
これは流石に美味しいって思ってくれるでしょ。
「あ、おはようございます」
ぱちぱちと目を瞬かせながら、レナは声を発した。
起きたらしい。
「おはよ、プリン作ったんだ。食べる?」
「お嬢様…!」
そう言うレナはとても嬉しそうだった。
キッチンまで手を引く。
「これ」
「その…早速いただきますね…!」
レナはプリンをほうばる。するとレナの頬が緩み、感動したように顔を紅潮させた。
「美味しいです!お嬢様!」
「そう。よかった」
そう言ってレナの頭を撫でる。
「この人たらし」
神様がそんなことを言ってくる。
人たらしとは?




