4.武器が欲しい。
「あんた、令嬢設定でいくなら武器持ってないと変じゃない?」
気ままに戦場跡周辺を歩いていると神様がそう言ってきた。
「そうかも」
そう答えながら、そこら辺の果実をむしって食べる。食感は苺に近いけど、薄味で微妙。
余計人肉が食べたくなる。
ペッと吐き出して、川に捨てた。
「お行儀が悪いわよ」
「はーい」
「収納魔法って使えるの?」
武器を探すために戦場跡に戻ってきた。
「…使えるわよ」
神様がそう言うので『えい』とそこら辺に転がっていた短刀に念じたら、ポンと消えた。
「…はぁ、相変わらず適応早すぎ」
「全部回収しちゃおっか」
「はぁ?それも持ってくわけ?」
「入るし」
「え?それもう200は持ってるでしょ?」
「入れてて損は無いし」
「それ武器じゃないわよ」
「でも使えそうだし」
スキップしながら8日かけて1,000人以上の人間の装備を全て回収した。
もう戦場には血の跡と、汚れた服しか転がっていない。
「結局、どの武器使うわけ?」
「これかな」
ポンと収納から銃っぽいのを取り出す。
「ふーんグラウエンブルク式ね」
「何それ?」
「『グラウエンブルク式長銃杖、別名マスケット銃。汎用性を排した代わりに従来の魔術杖の欠点であった魔術鉱石の大量使用と、"磨き"工程の複雑さを克服。それにより量産性、整備性が圧倒的向上し、現在国軍の主力装備となっている』らしいわ」
「…?」
私は首を傾げた。
「…今から使い方教えるからそっちで判断しなさい」
「なにこれ使いやすい」
魔力を込めたら勝手に圧縮してくれて、カチンと音がなれば装填できたから、引き金を引いてバンって撃てる。5回くらいやったら連射までできるようになった。
「まぁ実際使いやすいわよね。あんたの適応は異常だけど」
「この銃剣ってやつも合理的」
「そうね」
「この子実質、銃兼槍兼杖兼剣じゃん」
「ケンケン言い過ぎよ。まぁコレのすごさわかってくれたかしら」
「うん」
「次は令嬢っぽい所作を覚える練習をしましょう」
「教えて神様先生」
「敬称は普通2回使わないの」
「そっか。じゃあ神様」
「よろしい。まぁ始めましょうか」
収納してた武器や装備品類を椅子や机代わりにして、臨時の所作教室が始まった。
「そこはこう」
「はーい」
「ここは一度立ち上がるの」
「そーなんだ」
「良いわよ。でも少し手が変よ」
「こう?」
「そう。ほんっと要領良いわね」
所作教室はぶっ通しで6時間あって、すっかり夜になっていた。
「もう完璧よ」
「『ありがとうございました。神様』」
習った通りの動きを完璧に見せる。
「うわっ悪寒がする」
「変だった?」
「逆よ」
「…?」
「まあいいわ」




