3.転生してから1,312日目。
「もういない。だから…だからもうおしまいよ」
…?神様が焦り気味に止めてくる。
私…何考えてたんだろう。記憶がない。
「…そんなに夢中になってたの?」
何日経ったの?随分、空が晴れてるけど。
「最後にまともに話してから1,311日経ったわね」
何人食べたっけ?
「2,013人ね。かなり効率的だったわよ」
捕食した同族の数は?
「5,602匹。無茶苦茶ね、あんた」
キルデス比5,602じゃん。
「あんた死んでないから母数出ないでしょ」
いや、転生したし。
「そうだった。血蛆としてしか見てなかった」
進化ってどうするの?
「あ〜、あんたの中に溜まってる魔力を急速に活性化させるというか」
こうかな。何となくでやってみると、急速に身体が大きくなり始めた。
「それ。適合早くない?」
段々眠たくなってくる。
「そんな量の魔力を一気に使ったら当然ね。大人しく寝なさい」
おやすみ。
パッと瞼が開く。
…瞼が、ある。
日光がやけに明るい。自然と手を翳して、顔に来る光を遮る。
…あれ?手がある。生前のものとほぼ相違ないものが。
ゆっくりと身体を起こす。
…そこには転生前より少し白くなったくらいの、そのままな身体があった。
「起きたわね」
「おはよ」
「うわっ喋った」
大きく伸びをして、立ち上がる。
立ち上がる時の揺れで髪の色が変なことに気がついた。
指で髪束をつまみ、目の前に持っていく。
白っぽい…先端にいくほど血の色になってる髪だった。
「こんなので人間社会に溶け込めるの?」
「大丈夫よ」
…お腹空いた。多分放置してもしなないだろうけど、疲労感があるというか。
「せっかくだし人みたいに人間以外を食べる練習をしましょ?」
「でも…人美味しいし…」
「あんた自分の目標忘れたわけ?人っぽいけど人じゃないくらいを目指してるんでしょ?」
「うーん…まぁ…じゃあ探そ」
「ところで、人間もどきを目指すならとりあえず服でも探して着たら?」
「そうしよう」
とりあえず大量に転がってる死体跡…服や装備だけ落ちてるのの中で、まともに使えそうなのを拾い集めることにした。
軽く6時間探したところ、色んなものが手に入ったので、近場の川でそれらを洗うことにした。ついでに私自身のことも。
黒いシスター服や、戦列歩兵の黒いジャケット、白い下着とズボン、革靴等、状態の良いものと悪いもので選別して、良いものを中心に悪いものもアクセントとして活用していく。
黒いシスター服は下部を上手く切り取って、騎士のベルトと併せてミニスカートに。
戦列歩兵の黒いジャケットは装飾品類を適度に外して肩にかける用に改造。紅く染まっていた拾い物の紐をリボンにして付ける。
下着は状態の良い女性物のを選別して確保。
戦列歩兵の白ズボンはシスター服のリボンを使ってかぼちゃパンツっぽく。
戦列歩兵の下着となるシャツがちょうど良いブカブカさだったのでそのまま活用。
騎士の白いショースはニーハイソックスに改造。
できたものを全て着て、最後に革靴を履いて完了。
川で自分の容姿を確かめる。
白いシャツに、肩には紅いリボンをあしらった黒いジャケット。黒いミニスカートに白いかぼちゃパンツ、そして白いニーハイソックスと革靴。
男物が多いせいかぶかぶかなのも相まって、なんとも過保護な軍人の親に装備を用意されたご令嬢っぽい雰囲気がある。
「恐ろしいくらい擬態できてるわね」
「ぐちゃぐちゃしてて不快」
というのも全部改造前に水洗いしてたので、今絶賛全身びちゃびちゃなのだ。
「魔法でも使えば」
「どうやるの?」
「念じれば出る」
こうかな。あ、なんか乾いた。
「適応早!」
せっかくなら匂い付けよ。甘い苺の匂いっと
「早速独自魔法使い始めたし!」
「おかしい?」
「あんた一応人間1,000人以上と同族5,000人以上の持つ魔力を内包してるわけだから、おかしくは無いけど、いきなり独自魔法は流石に頭のネジ外れてるでしょ」
「そうなんだ?」
「反論するとこよ、普通。まぁこの点はそもそも魔法について体系的に教えず魔法を使わせた私に落ち度ありそう」
「そっか」
「まぁ、そのうち分かるわ。その異常さを」




