31.子供たち
「この子達、疎開の時、親と離れてしまったみたいで良ければお姉さんが面倒を見てくださることってできますか…」
疎開に来た人のうちの一人にそう言われた。
その人と手を繋ぐ子供が2人。男の子と女の子だった。
「ええ、もちろん」
そう言って微笑む。
…子供、苦手。
「なんで引き受けたのよ」
依頼だし。
「うーん、あんたの価値基準よく分からないわね」
とりあえず屋敷に連れて行って、新しい衣服を魔法で出し、お風呂に入れた。
…身長から見て多分、大人いなくても良い年齢でしょ。
2人だけで入ってもらう。そのうちに私は2人の服を用意。また、レナには食事を用意するよう、人形には子供達用の寝室を用意するよう指示を出す。
大体、服を仕上げたくらいであがってきた。
興奮しているようで、あまり身体も髪も拭かず脱衣所から顔を出してきた。
「温まった?」
「「うん!」」
「服できたから、これ着て」
「「はーい」」
それにしても2人はよく似てる。
一卵性双生児なのだろうか。
名前は女の子の方がミオ、男の子の方がレオというらしい。
姓は知らない。
服を着終わったらしく、2人は出てくる。
2人にはそれぞれ黒く緩めの、可愛い?服とかっこいい?服を用意した。
「お姉ちゃんやっぱり背高いね〜」
「ね〜。お父さんよりおっきい」
「…そうだね」
…これってどう返すのが正解なんだろう。
「お姉ちゃんの髪かわいー」
「かっこいー」
「そう」
…どう答えれば…?
「お嬢様」
小さくレナが私を呼ぶ。
どうやら食事が準備できたらしい。
「夕食準備できてるから食べよっか」
「「はーい」」
レナが用意した料理はビーフシチューだった。
匂いの感じ的に魔力は含まれていない。
この感じだと多分、回復薬等もいれていないのだと思う。
軽く掬って飲み、ほとんど味がしないのを確認してちゃんと『人間向け』だと理解して、レナに軽くグッドサインを送る。レナは微笑んだ。
「すっごく美味しいー!」
「やばー!具がたくさーん」
ミオとレオには大盛況らしい。
ちょうど一杯食べたくらいで2人は『ご馳走様でした』と手を合わせた。
「お姉ちゃん遊ぼ!」
「本読み聞かせて!」
「どっち、やろうか」
「遊んで!」
「本読んで!」
「うーん…じゃあコイントスで決めよっか」
指を鳴らし、収納からパッとコインを取り出す。
「「わっ!」」
えっ何?
「今どうやったの!?」
「もう1回!もう1回!」
何が良いのか分からない。
「…わかった」
同じ動作をもう一度やって、出したコインをミオとレオそれぞれに渡す。
「これちゃんとコインだ!硬い!」
まぁ…硬いよ?
「すごーい!これ!」
それにタネがある訳では無いのだけど…
「大変そうね」
まぁ…大変。
結局、寝室に移動させて、ベッドに寝かせて本を読み聞かせていたら2人は寝た。
「…寝ましたかね?」
部屋の外にでると、何故か扉の近くにレナがいて、そう聞いてきた。
「…寝たね。私も疲れたからもう寝ようかな」
…今日は早めに寝よう。




