28.極秘の建設命令
『統合参謀本部命令第303号【極秘】
第23旅団、旅団長ソフィア・シヴグラード中佐宛。
現在、西部における情勢の変化に伴い統合参謀本部は西部の国民を一部疎開させる緊急行動を行っており、これの______よって、早急な疎開先の仮宿舎をエストブルク郊外に建設することが求められており___第23旅団が最適と______疎開予定人数のリストに関しては写しが___これに合わせ、速やかな建設による国民の飢___なおこの命令は極秘事項であり、部下に対しては、中佐の判断で適切な形でこれを説明するように。国民軍東部方面司令部に対しては前もって説明を行っているため、建設資材は東部方面司令部の庶務局より受領すること。
______統合参謀本部総長ラインハルト・フォン・ベック元帥』
「ふーん。大層な役目ね」
そうだね。治安維持部隊の登録間違えてたかな。
「まぁでも、どうせ『命令は命令だから』とかってやるんでしょ」
当然。
「で、なんで1人なの?」
やりたいことがあるから。
庶務局に行って、資材置き場の場所を教えてもらってここに来た。
かなりの数の資材が置いてあって、それをチープな屋根が守っている程度の敷地。
ここから更に移動して、郊外に建てろというのだから、少し非効率な気もする。
まぁ仕方ないか。
収納魔法で資材を全て収納。
目的地に行く。
目的地であるエストブルク城塞外の広い平原地帯に着いた。
「で、結局やりたいことって何よ」
収納魔法って収納から出す時、頭の中のリストみたいなものから出すよね。
「そうね。魔力製の外部メモリみたいなものができて、そこを使って収納一覧みたいな感じで表示されるわ」
つまり収納は個別に保護してどこかへ飛ばすなんて魔法じゃなくて、いわばデータ化して脳内に飛ばすようなものでしょ?
「そう…ね?」
てことは脳内でそのデータを組み合わせて、収納内で宿舎を作ってから出すことも可能じゃない?
「…………確かに」
ということで。
試しに移動中考えていた3階建てのレンガ建築をポンと出す。
「うわっホントにやった…しかもかなり大きいじゃない…」
ガラスはちゃんと嵌めてるし、個別の生活空間にあたる部屋が各階8戸ずつ、計24戸ある。前世の言葉で表すならホテル?って言うのかな。
二段ベッドをそれぞれに2つ入れていて、それでもかなり空間がある設計。
ただ塗装用意されてなかったから、接着剤の白色くらいしかアクセントがない単調な赤レンガの建築にはなるけれど。
「まるで屋敷ね…こんなことができるなんて」
さあ…どんどん作ってこ。
20棟建てたところで、ちょうどほとんどの資材が尽きた。
単純計算で計480戸…各戸の住人が4人と考えた場合約1900人以上が住めるということになる。
「ここまで同じ建物が連続すると不気味ね…」
96人ほどが快適に住める宿舎を20棟作ったと報告を書く。
「お偉いさんが視察に来そうな案件ね」
そうかな?
「そうよ」
そっか。




